妊娠中は、ママが食べたもので赤ちゃんが育つので、毎日食べるものがこれまで以上に気になりますね。
ママの体と赤ちゃんの発育のために、妊娠中に控えた方がいい食べ物や飲み物とはなんでしょうか?今回は、食べる量と合わせて、具体的にご紹介します。
ビタミンAの摂りすぎに注意!
レバーなどに含まれているビタミンAには、体の免疫力を維持し、ウィルスなどから体を守る働きがあります。
ただし、妊娠中にビタミンAを長期間食べ続けることで、赤ちゃんの発育に影響が出る可能性もあります。同じ食品を、毎日のように食べ続けることは避けましょう。
とくにビタミンAが多く含まれている鶏レバー・豚レバー・うなぎのような食品は、注意が必要です。緑黄色野菜に含まれているβカロテンも、ビタミンAに変わることができます。ビタミンAは、にんじんやほうれん草からも摂るようにしましょう。
生ものを食べる際は気を付けて!
新鮮な刺身はOK!
市販されている新鮮な刺身のように、温度や衛生管理がしっかりされているものは、問題なく食べることができます。
ただし、購入してから日にちが経ったものは、下痢を引き起こす可能性があります。食べる前に、食材の鮮度を見極めましょうね。
肉や魚は食中毒に気をつけて!
肉や魚は、細菌による食中毒の可能性があります。たとえば、十分に加熱されていない肉は腸管出血性大腸菌(O157など)、生卵は殻に付着しているサルモネラ菌、カキのような二枚貝はノロウィルスの食中毒が起こる可能性もあります。
非加熱のナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモンも要注意。さらに生肉は、トキソプラズマが寄生していることがあり、感染すると赤ちゃんに影響が出る場合があります。できるだけ加熱してから、食べるようにしましょう。
水銀が多い魚は控えめに!
海の中にある水銀。実は、食物連鎖のために、水銀は大きな魚に蓄積されています。ママが水銀の多い魚を食べ続けると、水銀がある一定量以上になったとき、おなかの中の赤ちゃんの発育に影響が出ることがあります。
妊娠中に、水銀濃度が高い魚を食べ続けるのは避けたほうが安心です。食べる場合は1回80g(刺身1人前、切り身1切れ)まで。食べる回数は、週1〜2回程度にしましょうね。
週1回まで食べてもOK
キンメダイ、メカジキ、メバチ、クロマグロ(本マグロ)、エッチュウバイガイ
週2回まで食べてもOK
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ヨシキリザメ、ミナミマグロ(インドマグロ)
※参考資料:厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」「これからママになるあなたへ お魚について知ってほしいこと」より抜粋
このほかにも、注意したいのがお酒とカフェインです。ママがお酒を飲むと、生まれてくる赤ちゃんが、胎児性アルコール症候群になる可能性があります。ちょっとの飲酒でも、ガマンしましょうね。
また、コーヒーなどに含まれているカフェインは、胎盤を通じて赤ちゃんにも届きます。大量に飲むと胎盤の血流が悪くなるため、コーヒーは1日1杯にするなど、できるだけ控えましょう!
著者:管理栄養士 富田チヤコ
管理栄養士で一男一女の母。大学卒業後、専業主婦時代に離乳食作りから食の重要性に気付き、管理栄養士・フードコーディネーター・消費生活コンサルタントの資格を取得。書籍や女性誌の栄養監修など、主に健康と食のジャンルを中心にフードライターとして活動中。