フランス人の年下彼氏
交際2年目のころ、フランス人の彼が1年間来日しました。私よりも3歳年下で、旅行が好きな彼は、5年に渡り、リュックサック1つで働きながら各国を周ったいわゆるバックパッカー。
そのため、彼が来日したときは「仕事ない、家ない、貯金ない」の3拍子が揃った状態。団塊世代で社会的地位や安定性を重視する両親に、彼氏として紹介することに気が引けましたが、「ま、婚約相手として紹介するわけじゃないし」と軽い気持ちで紹介することになりました。
両親への紹介
ただ、私と彼、そして両親という4人だけの対面は自信がなかったので、姉夫婦にも声をかけて一緒に食事をしました。食事の間は姉や義兄、甥が場を持ってくれたおかげで、和やかに楽しく時間を過ごすことができました。
私は「意外と上手くいったな」と安心していたのですが、その夜にとんでもない両親からの電話がかかってきたのです。両親はいきなり電話先で「あの日雇い労働者のような旅人はやめろ! この先一緒になるなら勘当するからな!」と大反対! そんな一方的な言い分に私も黙っていられず、両親と大喧嘩をしたのです。
両親との冷却期間
両親との喧嘩を通して、私は「そもそも私と親は価値観が全く違う。理解してもらうこと自体間違っているのかも」と思い、それから約1年間、両親と距離を取るため連絡を一切しませんでした。両親も私に連絡をせず、親子の溝は深くなっていったのです。
そして、彼の来日が終わる直前、私は彼とフランスで一緒に生活をすることに決めました。そうなると、音信不通だった両親にも伝えなければいけないと思い、出国予定の半年前に、姉の助けを借りて両親に会いに行くことにしたのです。
旅立ちのとき
渡仏を両親に伝えると、両親は何も言わずただ「そうか」と言って、うつむいていました。そして、私と両親はあまり会話することなく、その日は終わってしまったのです。
その後、渡仏直前にもう一度、両親に会う機会がありました。そのとき両親は私に「私たちはお前に日本にいてほしいけど……お前の人生やから」とポツリ。私は「行ってきます」と一言だけ伝え、フランスに旅立ちました。
結局、両親の快い了承がないまま渡仏し、私自身後ろめたい気持ちも正直ありました。しかし、私は「自分の人生、後悔したくない」という気持ちが強く、両親の反対を押し切って渡仏したことに今も全く後悔はありません。また、一旦両親と距離を取ったことで、時間をかけてお互いの意思を尊重することができ、今ではいい距離間ができたと思っています。
今ではフランスで彼との間に子どもが2人生まれ、両親へは孫の誕生や成長はSNSを通して伝えており、両親はとても喜んでくれています。
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著者/岩見 エリ