フランスでは事実婚率が高く、事実婚や同棲も社会的に認められているので珍しくないのですが、日本の友人からは結構な頻度で「結婚はしないの?」と聞かれることも……。そんな私があえて「結婚」という手続きをおこなわない理由3つを紹介します。
※フランスでは、事実婚は保障や金銭的な権利がある共同生活のこと、同棲は保障や金銭的な権利のない共同生活のことを言います。
お金がかかる
35歳で長男を生むまで、海外留が好きで海外へ長期移住したり、バックパッカーになって旅をしたりと好き勝手に生活をしていた私。3年ほど日本で働いてお金を貯めては出国していたので、ある程度貯金ができるといつも「これだけ貯金があれば1年は海外生活ができるな」ということばかり考えていました。
つまり私にとって、まとまったお金は海外の生活資金。海外で切り詰めて生活をしていた私には、大事な資金を祝い事や結婚費用にするなんて考えられませんでした。
家族・親戚付き合いのしがらみ
日本だと結婚すれば「嫁」という立場になり、家族や親戚付き合いを無視することができなくなる方も多いはず。日本ほど厳しい世間の目はないものの、フランスでも「嫁」という立場が存在します。特に家族との集まりを大事にする習慣のあるフランスでは「嫁」は「彼女」よりも家族寄りで動いているように私は感じます。
また、「姓を継ぐ」ということは、金銭的な権利や責任を継ぐことでもあり、私にとって「嫁」になることは自由を奪われているような気がしてならないのです。
暮らしに影響がない
フランスでは「同棲」が社会的に認められていて、「未婚の母」という意識がありません。正式な書類でも自分の社会的状況を示すとき「事実婚」や「同棲」欄があるくらい。なので、他人から「あの人はシングルマザーね」と勝手に位置づけされることはありません。私は彼との間に2人子どもがいて、日本の戸籍上は未婚の母ですが、フランスでは家族4人でいわゆる「普通の暮らし」をしている女性。「結婚していないからできない」ということが全くないので、不自由していないのです。
いろいろなしがらみなく自由に生きたいタイプの私には、もともと結婚が向いていないのかもしれません。社会的には「同棲」という枠組みでも、誰に何も言われず子どもをもうけ、彼と家族4人で普通に楽しく生活ができるのは「自由の国フランス」だからかも。この先子どもが成長するにつれ、状況が変わるとまた結婚に対する意識は変わるかもしれませんが、今は今の状況で満足しています。
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著者/岩見エリ