宗教一家なことを彼にカミングアウト
私は生まれたときからある宗教に入信していましたが、小学生のころから周りの目が怖くて、宗教を信仰していることを誰にもバレないよう隠しながら生きてきました。普通の恋愛や結婚はできないと覚悟していたため、誰かと交際をするときは同時に別れのことも考えるように。
24歳当時、交際していた彼ともきっといつか別れるだろうと、宗教一家なことを隠して交際をスタートさせました。しかし、付き合い始めて3カ月が経ったある日、彼から「結婚を前提に付き合っている」と言われたのです。
彼の時間をこれ以上無駄にしてはいけないと感じた私は、別れを覚悟して今まで秘密にしてきた宗教についてカミングアウトしました。彼は最初こそ驚いていたものの、「子どもにさえ強要しなければ俺は気にしない。それも含めて私ちゃんでしょ?」と穏やかな口調で言ってくれたのです。カミングアウト後も交際は順調に進み、付き合ってから4年目の秋、彼がプロポーズをしてくれたのでした。
結婚に猛反対! 両親の失礼すぎる発言
私が彼にカミングアウトしたあと、彼は自分の両親に私の事情を話してくれていました。そして本当にありがたいことに、彼のご両親は私たちの交際に反対せず理解を示してくれました。そのため、彼の実家へ結婚のご挨拶にうかがったとき、とても温かく祝福してくださったのです。
しかし、問題は私の両親でした。交際中から無宗教の彼との関係をあまり良く思っていなかった私の両親は、結婚の挨拶をしに来てくれた彼を猛攻撃! 「娘と結婚するならあなたも入信しないと! 」「入信しないと娘が不幸になる」と宗教の話から始まり「何だか若いし、頼りなさそう」と彼のことまで否定し始めたのです。
両親の最低な言動に、私は申し訳なさと怒り、恥ずかしさ、悲しさで涙が溢れ「いい加減にして! 」と激怒しました、そのときです。彼が私の言葉を遮って話し始めたのです。
彼が私の両親に放った言葉は…
彼は物怖じせず堂々とした態度ながら、とても穏やかな口調で言いました。
「たしかに僕が同じ宗教を信仰していたほうが、私ちゃんのご両親も安心だと思います。でも、僕は今のところ信仰しようとは考えていません。気を悪くされたら申し訳ありません。頼りなく見えるかもしれませんが、誰よりも私ちゃんのことを大切に、幸せにすると約束します。反対されても僕の言葉を信じてくださるまで何度でもうかがいます」。
私の両親からひどいことを言われたにもかかわらず、両親の発言を否定せず対応してくれたことや、初めて聞く彼の思いに目頭が熱くなりました。そんな彼の誠実な対応に、私の両親もさすがにそれ以上は言い返しませんでした。そして、彼が2度目の挨拶に来てくれた日、両親に無事結婚を認めてもらえたのです。
宗教に限らず、自分の価値観を一方的に押し付けられたら誰でも嫌な気持ちになり、距離を置いたり、反発してしまうこともあると思います。しかし、夫は相手の気持ちを考え誠実に対応してくれました。そんな夫を両親は信用しており、あの日以降何かを言ってくることはなくなりました。
そして、私は夫と話し合って、生まれたときから入信し続けていた宗教を棄教することに。今は誰の目も気にすることなく穏やかな結婚生活を送ることができています。
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著者/米久熊代