過酷な食事制限をしていた中高生時代
中高生のとき、私は陸上部に所属していました。熱血顧問の指導が「速く走るためにはとにかく体重を軽く!」という方針だったため、私は毎日、体重計とにらめっこ。ごはんは極力少なく野菜中心の食事で、どんなに小さなお菓子でも我慢……。
そんな努力の甲斐あって、当時の私は身長160cm、体重40kg、体脂肪率10%という、今思えばスリムというよりガリガリの体型になりました。
速く走るためとはいえ、毎日これだけの制限を強いられたのですから、当然ストレスフルになります。その結果、しばらくして、私は生理が止まってしまったのです!
母と一緒に婦人科を受診するも…
そんな私を見かねた母が連れて行ったのは、自宅から遠く離れた町の婦人科。「地元の人に見られたら恥ずかしいから……」と、わざわざ遠方の病院を探したそうです。
思春期の私には、問診票にあった「性行為の経験有無」という項目の回答を母の前で記入することも、すごく恥ずかしかったことを覚えています。診察が、女医さんの超音波検査のみで終了したのは幸いでした。診断結果もとくに問題なく、ホルモン分泌を促す薬を処方されただけで終わり、すぐに生理は再開しました。
ただ、遠方の病院だったので、通い続けることが難しくなり、治療は中断。さらに、スポーツ熱心な父が「生理が止まってこそ、一人前の選手」「強豪校の選手は生理がない」と言って、「治療は必要ない」という結論を下してしまったのです!
それから、私の生理はきたりこなかったりと、生理不順の状態のまま放置していました。生理について正しい知識を身につけておらず、両親の言うがままになっていた学生時代。このときの私は「こんな体で将来、子どもが産めるのかな……」と不安に思っていました。
引退後にわかった思春期における生理の重要性
高校の部活を引退して数年後、ようやくスポーツ選手の無月経が注目されるようになりました。長く続く無月経が骨粗しょう症などにつながることも報じられ、ここにきて「やっぱり思春期の生理は必要だったんだ!」ということを理解したのです。
社会人になってから、避妊目的で低用量ピルを処方してもらうため婦人科に通うようになりました。そこですすめられたブライダルチェックで、なんと、ここで多嚢胞性卵巣症候群であることがわかったのです!「これまでの生理不順の原因はこれだったのか!」と、これまで自分の中にあったモヤモヤがスッキリしました!
生理不順は相変わらずでしたが、結婚後すぐに子どもを授かることができたことにはホッとしています。治療は特に何もしておらず、タイミング法などもしていなかったので驚きでした!
生理の話をすることや、婦人科を受診することは恥ずかしいものだと思っていた学生時代。スポーツと生理の関係について正しい知識を得たり、まわりに相談できる大人がいたりすれば、不安に思うこともなかったと思います。また、気軽に受診できる婦人科が近所にあれば、無理なく通院できたかもしれません。
こうした自分の体験を踏まえて、子どもには「体のことで困ったことや不安なことがあったら何でも相談してね」「思春期でも婦人科に行くことは大切なことだよ」と、伝えていきたいと思っています。
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監修/助産師REIKO
文/木下有花さん