まったくタイプではなかった彼との出会い
出会いは友人の紹介でした。紹介と言っても私は当初、彼のことを友人のひとりとしてしか見ておらず、異性としてまったく認識していませんでした。
しかし彼は一目見たときから私を気に入ってくれていたようで、まもなくアプローチが始まりました。しかし私のタイプではなかったので、彼からの気持ちに気付きながらも私はスルーしていたのです。
好きになることができない葛藤
アプローチを受けていましたが、私には違う彼氏ができ、彼とは疎遠になっていきました。しかしその彼氏とはすぐに破局。その後も付き合う人にことごとく振られ続けた私は、すっかり自分に自信をなくし、心がボロボロになっていました。そんななか、私はまったくタイプではなかったあの彼と2年ぶりの再会を果たします。
離れていた2年間、彼はずっと私を思い続けてくれていたようで、私に彼氏がいないことを知るとすぐにまたアプローチをしてくれました。しかし私は恋愛で失敗が続いたことから、簡単に人を信用することができなくなっていて……。「きっとこの人もやさしいのは最初だけ。付き合って時間が経てば、私を振るのではないか」と疑心暗鬼になっていたのです。
そうやってあと一歩を踏み出せずにいた私に、彼は何とか私を楽しませようとそばに寄り添ってくれました。そんな彼のやさしさや人柄が十分に伝わって「きっとこの人は私を大切にしてくれる」とは感じていたのですが……。どうしても彼を異性として見ることができない自分の感情に、私は葛藤し続けたのです。
一緒にいて楽しい自分に気が付く
しかし、お互いを知るうちに、好きな食べ物や音楽が同じであったり、数年前に限定販売されていた同じスニーカーを持っていたりと、趣味や価値観が似ていることに驚かされました。もはやここまで同じだと、彼との相性の良さを認めざるをえないくらい。
そして何より、一緒にいる時間の居心地の良さは否定できませんでした。どんなにタイプじゃなくても、一緒にいる時間はとても楽しくて、帰る時間になると寂しさを感じている自分に気が付きました。そうして少しずつ距離が縮まり、彼から正式にお付き合いを申し込まれました。
そのころにはいつの間にか、彼への気持ちは「タイプじゃない」という域を超え、人としての愛情や尊敬の念に変わっていました。そして彼とのお付き合いが始まり、付き合って1年で結婚。今ではかわいい子どもにも恵まれました。
彼と結婚して7年経った今も、彼に対する愛情や尊敬の念は変わっていません。それは最初に「タイプであるか、異性として見られるか」というフィルターを飛び越えて、「人として信用できるか、私を幸せにしてくれるか」という人間性を見ていたからだと思います。
きっと彼が好みのタイプだったら、ちょっとくらいの欠点は見ないようにしていたと思います。でも彼が好みのタイプでなかったからこそ、彼の人柄や本質を見ることができたと今では思うのです。私にとって大切なのは、一緒にいる安心感や居心地の良さ。そしてそれは何年たっても変わらないということを、日々体感しています。
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著者/山村智子