フランスの子育て事情
フランスでは産後3カ月から仕事復帰する方が多く、赤ちゃんは生後間もない時期から他人に預けられます。私のように、幼稚園に行くまで自宅で子どもを育てている方は少なく、早い時期から社会に出ているため、比較的他人に慣れて育っている子どもが多い印象です。
また、家族の付き合いが濃いフランス社会では、子どもを祖父や祖母に頻繁に預けることもまれではありません。赤ちゃんの時期から親と離れて過ごす時間が多いフランスの子どもたちは、他人を怖がる子が少ないように感じています。
私の子育て環境や事情
そんななか、私は専業主婦で親族も友だちもみんな日本。義両親も遠方で友だちはほとんどおらず、誰かに会いに出かけることも少ないのです。また、私のように仕事をしていないと保育園へ入れることも難しく、ベビーシッターは費用が高い……。
社会との関わりがほとんどないため、他人に出会う機会が少ないからか、長男は超人見知り。2歳半になっても愛想よくあいさつができない長男を見るたび「私のせいだ」と毎回落ち込んでしまいます。
ママ友に相談すると…
長男の様子と私の環境をママ友に話してみると、ママ友は「環境は人それぞれ事情があるから仕方ない。でも子どもは幼稚園に行けばすぐ馴染むから焦らなくても大丈夫」と言ってくれました。
私は自分にないものを探しては、子どもたちに「いい環境を与えてあげられなくてごめんね」と自分を責めていたことに気づきました。「ないものはないんだから仕方ない。私ができることを一生懸命与えてあげたらいい」と改めて思いました。
私の場合、他人の恵まれた環境を見るたびに、自分を責めたり落ち込んだりしていました。しかし、落ち込んでいても始まらないし、私ができることで子どもたちを幸せにしてあげられたらそれで充分ではないか、と今では思います。子どもの成長を見守りながら、精一杯愛して楽しんで子育てをしていけたらいいなと思います。
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監修/助産師REIKO
著者:岩見 エリ
1男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。