こんにちは!助産師のREIKOです。妊娠・出産の経過は順調で問題なかったのに、出産後、信じられないくらい足がむくんでしまったという経験をお持ちのママもいらっしゃるのではないでしょうか?ゾウさんのような足首、クリームパンのような足の甲……。このまま治らないのではないかと心配になってしまいますよね。そこで今回は、産後のむくみはなぜ起こるのか、むくみを改善するにはどうしたらいいのかお話しします。
どうして産後はむくみがひどくなるの?
妊娠中は、おなかの中の赤ちゃんに必要な栄養や酸素を送るためにママの血液に含まれる水分の量が増加します。しかし、出産による出血などでママの体の中の水分が一気に失われると、体の中の水分バランスが崩れてしまいます。
そうなると体の防御反応が働いて、失われた水分を補おうとして必要以上の水分をため込もうとします。さらに、おっぱいを飲ませることでも体の中の水分は失われていくので、ママの体はより一層水分をため込もうとして、むくみが生じてしまいます。
加えて、産後は赤ちゃんのお世話で寝不足になったり、授乳の際に座りっぱなしだったりすることもむくみにつながります。
産後のむくみを改善するには?
産後のむくみを改善するためにできる身近なことをいくつかご紹介します。
◆足を高くして寝る
足の血行をよくするために、横になったら足を10~15cmくらい高くなるようにして休みましょう。
◆足湯
お産後1カ月は湯船につかれないので、足湯がおすすめです。そのときに、どなたかにお願いしてマッサージをしてもらうのも効果的です。足湯のあとに冷たいシャワーをかけるのもいいですよ。
◆着圧ソックスを履く
着圧ソックスを履くことで血液やリンパの流れがよくなります。しかし、早くむくみを改善しようとしてきつめのものを選ぶのはNG。ずーっと履き続けるのではなく、足を休ませる時間も大切です。
◆産褥体操をする
産褥体操はママの体の回復に役立ちます。少しずつ体を慣らしながらおこないましょう。
食事でも産後のむくみを改善!
産後のむくみを改善するためには食事も大切です。
◆塩分の取りすぎに注意!
塩分をとりすぎると、体が水分をため込もうとして、さらに排出もしにくい状態になります。薄味の和食を中心に摂るよう心がけましょう。
◆カリウムを含む食材を摂る
カリウムは塩分を体の外に排出する働きがあります。フルーツや根菜などに多く含まれています。バランスよく摂りましょう。
◆水分は控えなくてOK!
産後のむくみは、「体が水分不足になっている」と思っているところから始まります。そのため、むくんでいるからといって水分を控える必要はありません。こまめに水分を摂るようにしましょう。
体を温め、利尿効果のあるお茶もおすすめです。カフェインも利尿効果があるのですが、おっぱいに移行して、赤ちゃんに影響してしまうので、ノンカフェインの飲み物を摂るようにしましょう。
こんなときは受診を!
妊娠中、妊娠高血圧症候群だったママは注意が必要ですが、産後のむくみは一時的なものです。個人差はありますが、1カ月健診までには改善すると思われます。しかし、足だけでなく、手が握りにくい、顔までむくんできた、しびれがある、頭痛がする、息苦しい、尿量が減ってしまったなどの症状がある場合は、早めに受診しましょう。
出産後、まもなくはなかなか時間のやりくりがうまくいかなくて、休む間もなく赤ちゃんのお世話にかかりっきりになってしまいます。そんな状況で、むくみのケアなんて……と思われるかもしれません。
私も、産後のむくみに悩んでいるママには、「赤ちゃんのお世話をがんばっている証」なんてお話をしていました。でも、なにごともがんばりすぎはよくありません。できることから始めてみてくださいね。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。