加齢とともに太る大きな原因は基礎代謝量の低下
――工藤先生が院長を務める工藤内科にはダイエット外来があります。コロナ禍による自粛生活やリモートワークによって“コロナ太り”をした患者さんは増えているのでしょうか?
工藤先生 日々、患者さんを診察する中でコロナ太りを訴える方は少なくありません。コロナ禍で外出の機会がめっきり減って体を動かさなくなった上に、家にいるとついつい食べ物に手が伸びてしまうことがコロナ太りの大きな原因だと言えるでしょう。
――コロナ禍以前から「痩せたいのに痩せられない」という悩みを抱えている人も多いと思うのですが、そもそも、なぜ人は年齢とともに太ってしまうのでしょうか?
工藤先生 人間の基礎代謝量は20歳を境に落ちていきます。基礎代謝とは、心臓を動かす、呼吸をするといった生命を維持するために必要なエネルギーのことです。基礎代謝は1日の総消費エネルギーのうち7割以上を占めていますから、極端に言えば、家でゴロゴロしているだけでも基礎代謝によってカロリーが消費されます。
20歳を過ぎて基礎代謝量が落ちる原因にはさまざまなものがありますが、一番は体がある程度完成すると、その体を維持するためのエネルギー以外は必要なくなることが挙げられます。また、加齢とともに老化が進むと細胞の生まれ変わりのサイクルが遅くなり、エネルギーを多く消費する筋肉も減ります。こうした理由から、年齢を重ねると脂肪がつきやすくなり、太ってしまうんです。
ダイエット成功の秘訣は手軽で簡単なこと
――世の中にはたくさんのダイエット方法がありますが、なかなか痩せられない人が多いように思います。
工藤先生 たしかに、食事療法や運動療法など、痩せるための理論的な方法にはいろいろなものがあります。ただし、痩せるために食生活を変えたり、定期的に運動をしたりするためには、それまでの食事や生活を大きく改善しなければなりません。しかし、人は長年の生活習慣をそう簡単には変えられないものです。
実は私自身、糖尿病内科の勤務医として働いていた2015年当時は体重が92㎏もあり、「痩せたいのに痩せられない」という悩みを抱えていました。その後、25㎏の減量に成功した経験から、無理なく体重を減らすためには、生活の中に手軽に取り入れられる方法が有効であると実感しています。簡単で手軽なことが、ダイエット成功の秘訣です。
緑茶とレモンを組み合わせたダイエット方法
――先生のおすすめの簡単で手軽なダイエット方法をぜひ教えていただきたいです。
工藤先生 私のおすすめは、緑茶とレモンを組み合わせた「緑茶レモン」です。緑茶とレモンの組み合わせというのはあまり聞いたことがないかもしれませんが、紅茶にレモンを入れたレモンティーは一般的な飲み物です。緑茶も紅茶も基本的には同じツバキ科の茶の樹から採れる生葉からできており、製造過程で発酵させないものが緑茶、最終段階まで発酵させたものが紅茶となります。つまり、紅茶と相性の良いレモンは緑茶に入れてもおいしくなるということです。実際、緑茶レモンは少し酸味のある渋味が強い緑茶という味わいで、おいしく飲むことができます。
――緑茶レモンを飲んで実際に痩せた人はいるのでしょうか?
工藤先生 緑茶レモンはSNSで話題になり、韓国のアイドルが緑茶レモンを飲んで痩せたことから「アイドル水」とも呼ばれています。また、SNSには2週間で3㎏減、3カ月で8㎏減など、実際に痩せた人のうれしい声が書き込まれています。ほかにも、体や足のむくみが取れてスッキリした、お通じが良くなったといった感想なども散見することができます。特に生活を大きく変える必要もなく、飲むだけで痩せる効果が期待できる緑茶レモンは、まさに簡単で手軽なダイエット方法なんです。
次回は、緑茶レモンがダイエットに効果的な理由と、その作り方や効果的なとり方などを紹介します。
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著者:熊谷あづさ
ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。