公衆の面前で低用量ピルを飲み始めた友人
3年ほど前の昼ごろ、勤め先の同僚女性複数人といつも通り昼食をとっていました。昼食を食べ終えてみんなで雑談中、メンバーの1人がおもむろに低用量ピルのシートを取り出し飲み始めたのです。それを見て私はびっくり!
低用量ピル自体は私も利用していたこともありますし、もちろん低用量ピルが悪いものだなんてまったく思っていません。ですが、生理用ナプキンや低用量ピルといった生理関係のアイテムは、少なくとも人前で見せるようなものではないと思っていたからです。
低用量ピル、なんで隠す必要があるの?
ブラジルでは低用量ピルの利用はとても一般的です。薬局でも気軽に買えますし、避妊目的でも、生理痛をコントロールする目的でも使っている人が多い印象です。
このように低用量ピルは一般的なアイテムではありますが、低用量ピルは「大っぴらに見せるものではない」という意識があった私にとっては結構な衝撃でした。だから思わず、目の前でピルを飲んでいた女性に聞いてしまいました。「人前で低用量ピルを飲むのって普通なの? 日本だと人前では飲まずに隠れて飲む人が多いんだけど……」と。
すると今度は一緒に昼食をとっていたブラジル女性たちが私にびっくり。逆に質問されました。「なんで隠す必要があるの?」と。
生理があるのは女性として当たり前だから
この質問をきっかけにブラジル女性たちと生理について意見交換しました。もちろん人によって意見の差は多少ありましたが、わざわざ「私は低用量ピルを飲んでいます!」なんて言うものではないけれど、隠す必要もないという意見でブラジル女性たちは一致。
頭痛薬を人前で飲んでも別に恥ずかしくないように、生理があるのは当たり前で、低用量ピルだけを恥ずかしがる理由がわからないと言われてしまいました。
考えてみれば彼女たちは「低用量ピルの種類を変えたんだけど、良いよ!」とか「低用量ピル飲み忘れたから飲まなくちゃ!」とか、普段の会話で低用量ピルや生理用ナプキンの話をしていたりします。彼女たちには、生理があるのは当たり前だから恥ずかしいと思わないんだな……と感じた出来事でした。
ブラジルは広大で人口も多く、また宗教観などの違いもあり、このような意見を持つ女性ばかりではありません。それでも私の周りには生理を自然に受けとめ、恥ずかしいとか隠すものという意識がない女性がほとんどです。
日本ではまだ生理に関する話題はタブーであったり話しづらいものであったりすることが多いと思います。ブラジル女性の生理への意識が、とても自然体で素敵だなと感じた出来事でした。
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著者/レイトン愛加