DV男との婚約破棄
私は夫と出会う前に、一度結婚しかけたことがあります。その男は、男尊女卑思考が強く、常に横柄な振る舞いで、今思えば何がよかったのかさっぱり思い出せませんが、度重なる暴力と暴言により、恐らく洗脳に近い状態にあったのだと思います。
DV男は、私に過去最高の暴力をふるった翌日にプロポーズしてきたのですが、なんと私はボコボコに腫れた体でそれを受け入れたのです。通常の精神では考えられない思考回路でしょうが、これは、DVのある関係性においてはごく自然なことなのだそうです。
それまでもひどい男ばかり引き寄せていたこともあり、当時の私は「条件付きの愛情」に何の疑問も持たず、自分の価値をかなり下に見て生きていました。
健康的な関係へのあこがれと夫との出会い
紆余曲折を経て、私は奇跡的にDV男と別れられました。そして、「支配や恐怖のない、健康的な関係を築きたい」と強く思うようになったのです。そのころ、職場で出会ったのが、今の夫です。眼鏡姿の彼は地味で、自信がなさそうに感じたのが第一印象。しかし、なぜか彼に惹かれていた私は毎週のように彼を食事に誘いました。
実際に話してみると、彼は自分の考え方に自信を持って生きていて、その考え方もとても健康的なものでした。聞き役に徹してニコニコとしながら、「ぼくは弱いから」と必ず2杯でお酒をやめる姿も愛おしく、それまで私が持っていた男性への偏見や、自分を卑下するような思考のクセが少しずつほどけていくのを感じました。
そんな彼を好きになった私は、自分から彼に告白。彼はOKしてくれ、お付き合いすることになりました!
依存と愛をはき違えない
今の夫との結婚を決めた最大の理由は、「問題の線引きがうまい」ことです。彼はやさしいので、私の話をぜんぶ聞いてくれます。だけれど、私が解決すべきことには介入しません。このことは、共依存状態の激しい関係性こそを愛だとはき違えていた私にとって衝撃的でした。
「話は聞くしアドバイスがほしいならするけれど、解決するのはあなたがやって」という、彼の冷静な境界線の引き方に感動した私は、彼の考え方を見習うことでみるみる健康的な思考を持てるようになっていきました。
「相手の機嫌が悪いのは、私の問題ではなく相手の問題」「私が落ちこんでいても、相手も一緒に落ちこむ必要はない」。こういった問題の線引きを、彼は根気強く私に教えてくれました。
経験は、必ずしもプラスにはたらくとは限らないと思っています。私のように、つらい経験によって自分の考え方までねじ曲がってしまえば、どんどん不健康な人間関係を引き寄せてしまうこともあり得るからです。私は運よく夫と出会えたことで、それまでの人生が一変しました。感謝の気持ちを忘れずに、これから先も笑いあっていきたいです。
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著者/つちやです