結婚式に家族全員が揃えない?
うれしいことに、国際結婚である私たちの決断に、夫の家族そして私の家族の全員が大賛成をしてくれました。しかし、早速のハードルが立ちはだかってきたのです。それは「結婚式に家族全員が揃えないこと」でした。
自営業である私の父は2日以上の休みを取ったことがなく、海外での結婚式には参加できません。そして夫の父は、当時闘病中だったために日本へは来られないという状況でした。その結果、私が小さいころから夢に描いてきた大きな披露宴は諦め、日本で、形だけの小さな式を挙げることになったのです。
移住ビザの申請がとにかく面倒!
結婚したらオーストラリアへ帰りたいという夫と一緒に、オーストラリアへ移住する決意をしました。そこで立ちふさがったのが移住ビザの取得です。オーストラリア領事館に提出する書類は本当にたくさんあり、集めるだけでも大変でした。
しかも、偽装結婚ではないという証拠として交際中に交わした手紙やカード、一緒に撮った写真など恥ずかしくなるようなものまで提出が必要。結局、申請を始めて8カ月ほど経ってから、やっと移住ビザを手にすることができました。今でも5年に1回の更新が必要で、うっかり更新し忘れたままオーストラリアを出国してしまうと帰国できなくなるため、常に更新時期を覚えておかなくてはなりません。
緊急時はとくに、日本の遠さを痛感
そして、3年前には日本にいる私の父が亡くなりました。とても急だったため、父の最期に間に合いませんでした。オーストラリアへ移住してきて7年目、自分なりに覚悟はできていたつもりでしたが、最期に手も握ってあげられなかったこと、今までの感謝も伝えられなかったことが悔しくて悲しくて。しばらくの間は、国際結婚をし移住した私のせいだと自分を責めました。
しかし父は、私の結婚、そして移住を心から応援し続けてくれた人。それを思い出し、頑張って幸せになるしかない!と、今はそう思うようにしています。
最近では、国際結婚は珍しいものではなくなりました。そんな現代でも、お互いの家族が遠いこと、住む場所に適したビザの取得など、私たち夫婦の努力ではどうにもならない悩みやハードルがあります。しかし結局は「私たちが幸せかどうか」であることを忘れず、これからも夫婦で一緒に解決していきたいと思っています。
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著者/松本奈緒
イラスト/sawawa