子どもの教育費を考える上で、高校や大学等の授業料は大きな割合を占めますが、習い事で掛かる費用もそれなりに掛かります。これからお子さんが生まれる方やお子さんが小さい方はピンと来ないかもしれませんが、こどもの習い事についての統計や費用など一般的な考え方をお伝えします。
どのくらいの割合の子どもが習い事をしているの?
文部科学省「中央教育審議会分科会」の小学2年生・5年生・中学2年生を対象にした調査によると、塾や習い事をしている子どもは平日で73.6%、休日で40.1%でした。
その内訳として、平日の習い事の内容(※1)は、スポーツが45.5%、塾が45.4%、楽器演奏が24.4%、習字が16.6%、外国語が15.5%となっています。
小学生未満に限定した公式の調査は見つけられませんでしたが、家計相談をさせていただいている中で、小学生未満のお子さんの習い事で多いと感じるのは、1.水泳、2.英会話、3.知育・受験等の幼児教室や通信教育、4.ピアノ等の音楽教室、5.体操やサッカー等の運動です。
(※1) 回答は複数の場合もあるため、100%を超えます。
子どもの習い事はいくらぐらいかかるの?
1つの習い事に掛かる費用(月謝)は、回数や地域などによっても異なりますが、月5,000円~10,000円の範囲であることが多いです。しかし、水泳であれば指定の水着やゴーグル等、英会話であればテキスト等の教材、と月謝とは別途掛かる費用がほとんどの場合でありますので、確認するようにしましょう。
また、少し古い統計ですが、内閣府「平成21年インターネットによる子育て費用に関する調査」によると、 学校外教育費と学校外活動費が掲載されています。この2つの項目を合計して、全く習い事をしない家庭が約25%いるとした場合、習い事の月額費用は4歳~6歳の保育所・幼稚園児で約8千円、小学生で約1.2万円、中学生で約3.4万円となります。
あくまでも統計上の平均額なので、家計相談の実際で子供の習い事をしている方の家計を見ると、この金額より多くかかっていることも少なくありません。
子どもの習い事の費用はどう考えたら良いの?
子どもの可能性を高める習い事はできるだけさせてあげたいのが、親御さんのお気持ちと思いますが、子どもの年齢があがるにつれ、教育費だけなく食費や生活費などの費用も増えて行くことは忘れてはいけません。
また、道具や教材は揃えたものの長続きしなくて、無駄にしてしまったと言うことも少なくありません。習い事によっては、体験授業を受けたり、成長とともに使わなくなった道具を譲ってもらうか借りたりと、いきなりすべてを準備しない方法が取れるかも考えてみましょう。
とはいえ、子どもの成長や可能性を高める習い事を全くしないといった選択肢も現実的ではありません。そのためにも、家計に占める習い事費用の上限や費用は他の教室やスクール等に比べて不当に高くないか等の視点も持って選んでください。手続きや入金を急かせる教室やスクールは資金繰りやサービスに問題がないとも言えませんので。
具体的な習い事を考えているご家庭や実際に取り組んでいるご家庭は、その費用を払い続けても将来の家計に影響が出ないか、これから習い事を考えるご家庭は、一人につき月1万円を出しても家計に影響がないかを踏まえて、家計全体を考えてみると良いでしょう。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。