今日もなぜだか妻はソファで眠っている……ブランケットを掛けなおし、妻の顔を久しぶりにちゃんと見た。
「昔と比べて、老けたような……毎日育児に追われてれば無理もないよな」
まじまじと見つめていると、妻がバッと目を開けて、睨まれてしまった!
「僕と帰ってこない妻」第104話
そういえば最近、スキンシップどころか会話もまともにしていない。
「ねぇ、今度の休み、二人でデートしない?
久しぶりに二人の時間を過ごしたいなぁって……」
すると、妻は時計を指さし、「会社に行く時間」とぶっきらぼうに言った。
「じゃあ、いってくるね」
「いってらっしゃい」
今日は「いってらっしゃい」って、言ってくれた!
返事してもらえなかったし、デートは却下ってことだと思うけど、今はこれだけでも充分だ。
駅へ向かっていると、名前を呼ばれて……。