こんにちは!助産師のREIKOです。平成14年の43,766人をピークに年々感染者数は減少傾向にあるものの、依然として性感染症数が最も多いのが「性器クラミジア感染症」です。妊婦健診でも、クラミジアの検査があります。
このクラミジア、妊婦さんだけでなく、妊娠を考えている方にとっても知っておいていただきたい感染症のひとつです。そこで今回は、性器クラミジア感染症についてお話しします。
性器クラミジア感染症って?
性器クラミジア感染症は、「クラミジア トラコマティス」という病原体が性行為によって感染するものです。クラミジアに感染しても、自覚症状があまりないことが特徴で、感染が拡大してしまうこと、感染に気付いたときには症状が進んでしまっていることなどがあります。
クラミジアはほかの性感染症と合併してしていることが多いので、ほかの性感染症の検査も同時に行うことが必要です。
性器クラミジア感染症、感染するとどうなる?
女性がクラミジアに感染すると、子宮頚管から子宮内膜、卵管、卵巣と炎症が進んでいきます。炎症が進むと、おりものが増えたり、不正出血や下腹部痛が見られます。炎症が長引くと不妊や異所性妊娠(子宮外妊娠)を引き起こしやすくなるといわれています。不妊症の検査の際に、クラミジア感染が分かる場合もあります。
また、おなかの激痛で受診し、よくよく調べたら、クラミジアの感染が原因だったなんてこともあります。
妊娠中のママが感染するとどうなる?
クラミジアに感染しても、症状があまりないため、妊婦健診のおりもの検査で、感染が分かる方もいらっしゃいます。クラミジアの感染により、ごく稀ではありますが、流産や早産になることも。
また、治療せずに、出産となった場合、産道を通過してくる際に赤ちゃんに感染してしまう可能性があります。そして、赤ちゃんがクラミジアに感染した場合、結膜炎や肺炎を発症する恐れがあります。
性器クラミジア感染症、治療法と予防法は?
クラミジアは性行為感染症です。クラミジアの感染が分かったら、自分だけでなくパートナーも一緒に治療が必要です。ともに抗菌剤を服用して治療します。生まれた赤ちゃんには結膜炎予防のために目薬を差し、その後、症状が出ないか注意深くみていきます。
クラミジアだけでなく、そのほかの性感染症にも言えることですが、感染していない者同士の性行為では感染することはありません。不特定多数との性行為は感染の機会を増やすことにもなります。
ときにはパートナーとともに感染症の検査を受けてみるものいいかもしれませんね。女性は産婦人科、男性は泌尿器科で受けることができますよ。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。