苦手な人と付き合うコツは自分が誠実であること
――『みんな、本当はおひとりさま』の中では、苦手な人との関係を克服されたエピソードが紹介されています。ぜひ、苦手な人とうまく付き合うためのコツを教えていただきたいです。
久本さん 人間関係って大変ですよね。どう考えても自分と合わない人っていますもんね。でも、その人のことで悩んだり翻弄されたりして毎日がブルーになるのは苦しいし、悔しいことでもありますから。苦手な人に振り回されない自分を作っていくしかないんですよね。
――そのためには、どうすればいいのでしょうか?
久本さん 強くなる、ということですね。といっても、我を張るとか、戦うという意味ではなくて、相手がどんな人であろうが、自分は誠実であろうと決めて貫いていくということ。
例えば、自分から明るくあいさつをして、人として誠実に付き合っていけば、その人の良いところが見えてくるかもしれないですよね。そうはならなかったとしても、相手との関係がギクシャクする原因が見えてくれば、うまく包んで付き合うことだってできると思うんです。人を変えることは無理だけれど、自分の考え方や受け止め方を変えることはできるんですよね。
年齢を重ねることでしか得られない輝きがある
――特に女性は年を取ることをネガティブに考えがちだと思うのですが、久本さんは年齢をポジティブに捉えていらっしゃいます。それはなぜなのでしょうか?
久本さん 例えば芸能界では草笛光子さん、黒柳徹子さんなど、私の周りには年上でイキイキと輝いていらっしゃる方がたくさんいるんです。そうした方たちがその場にいらっしゃると、それだけで温かさや強さを感じられたり、気持ちが和んだり癒やされたりするんですよね。人間的な魅力にあふれる姿を見るたびに、「すてきだなぁ」って思うんです。
だから私は、年齢を重ねれば重ねるほど輝くことが、人間としての勝利だなぁって感じているんですよね。5年後、10年後、20年後の自分はどう生きているんだろうと考えるたびに先輩方の姿と重ね合わせては、「私もいい年齢を重ねてすてきな人間になりたいなぁ」って思うんです。
――年齢を重ねることには、どんなメリットがあるとお考えでしょうか?
久本さん 若さ特有の輝きやエネルギーって、絶対的なものですよね。でも、年齢を重ねることによって生じるパワーや魅力もあるんです。私、人生は60代、70代からだと思っているくらいですから。
もちろん、体にガタがきていたり、瞬発力が弱くなったり、記憶力が衰えたりもするものですが、それ以上に生きていることのおもしろさってありますよね。
例えば、「65歳から卓球を始めました」「70歳で登山に目覚めました」という方がいらっしゃいます。私も自分で自分に限界をつくらずにいろいろなことに取り組んでいきたいなぁって思うんです。そのためには健康でいることが一番ですから、ストレッチをしたり、トレーニングをしたり、体を温めたりと体を気づかっているんですね。
たくさん悩んだ経験が人間的な魅力につながる
――体も心も揺らぎやすいウーマンカレンダー世代の女性が、久本さんのように元気に過ごしていくためのヒントを知りたいです。
久本さん 若さというアイテムが外れた30代から40代、50代にかけて「自分はどう生きたいのか?」とちゃんと悩んだ人は、その過程で培ったものが年齢とともに内側からにじみ出る輝きとなって表れると思うんです。
例えば、おしゃべりをすることが苦手な人は、コミュニケーションがうまく取れないことや、自分の考えや気持ちをうまく言葉にできないことに悩むかもしれません。でも、たくさん悩んで自分のなかの自分と戦ううちに、人の話をじょうずに聞けるようになったり、その場にいるだけで和やかな雰囲気の人になっていくと思うんです。それが人間的な魅力や女性としての魅力につながっていきますから、のびのびと自分らしく生きて欲しいですね。
――ご自身の経験を踏まえてのお言葉には、説得力があります。
久本さん まぁ、私もバカなところもあるし、ボーっとしてるところも、情けないところもいっぱいありますから。こうして話しながら、自分自身にも言い聞かせているんです(笑)。
<久本雅美さんプロフィール>
1958年大阪府生まれ。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984年に演出家の喰始、柴田理恵らと劇団『WAHAHA本舗』を結成。軽妙なトークで人気を博し、『秘密のケンミンSHOW極』『ヒルナンデス!』(ともに日本テレビ系)など、数多くのバラエティ番組やドラマに出演。最新刊に『みんな、本当はおひとりさま』(幻冬舎)
<著書>
『みんな、本当はおひとりさま』 久本雅美著/幻冬舎 1300円+税
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!