あたふたする私。一方彼は…
江戸川区という場所は、荒川や江戸川など大河川の最下流に位置しています。そのため各世帯に配られるハザードマップは真っ赤。万が一のときは全区民が避難しなければならないという地域です。引っ越したときからそうとは知っていたものの、いざ台風が来るとなるとどう対策したらいいかわからず、あたふたしていた私。それをよそに、彼は仕事帰りにドラッグストアに寄っては水や非常食を買ったり、情報を仕入れたり。着実に準備を進めていました。
いよいよ台風が来る
台風直撃の前夜、今思えば最低な行動ですが、この日は滅多に会えない先輩と食事をする約束をしていた私。ちょっと不安に思いつつも「今までも何とかなってきたし、準備もしたし、大丈夫でしょ」と自分に言い聞かせていたのですが、帰るころには予想以上の暴風雨。怖くて仕方ありませんでした。そんなとき彼から1通のラインが。「避難するよ。1泊するのに必要なもの教えて」
なんと、今住んでいる場所は危険すぎるので、埼玉のビジネスホテルに避難するというのです。本当に突然だったので「えー! 今から!? 」と驚いたのと同時に、危険な地域に帰らなくていいという安堵の気持ちも。
彼との待ち合わせ場所に行くと、2人分の荷物を詰め込んだ袋を担いだ彼を発見。その姿は、まるでサンタクロースのようでした! しかも、あんなに買っていた非常食は焦ってひとつも持ってこなかったと笑う彼に、何だかホッとして助けられたような気がしました。
台風一過とその後
台風の直撃中は、コンビニに売っていた小さなゲームをしたり、何とか不安を紛らわせようとお菓子を食べながらテレビを見たりして過ごしました。音が凄くて怖かったですが、家にいるほうがもっと怖かったはず。実際、家に帰る道中にまわりを見渡すと、駅前の大きな木が倒れ、道路は荒れ果てていました。
家から避難しておいて本当によかったと感じると同時に、彼の命を守る行動や決断力、頼もしさを実感し、この人と結婚したら安心できると確信したのでした。
それから間もなく、彼からプロポーズを受けました。あの台風の日に感じた、彼と暮らすことの絶対的な安心感で心が決まっていた私は、迷うことなく承諾しました。普段はあまり社交的ではなく、外食に行っても買い物に行っても店員さんを呼ぶのは私の役目。いつもは頼りない彼ですが、あのときの行動以来、そういった些細なマイナスは気にならなくなりました。現在結婚2年目を終えようとしていますが、彼と結婚してよかったと日々感じています。
原案/ずんこ
作画/ちゃこ
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