しかしある日、その不安は、夫のある言葉で一気に解消されたのです……。
現在妊娠・出産・子育てをする多くのママたちが直面している「孤育て(孤独な子育て)」。ベビーカレンダーでは、新型コロナウイルス流行により人と関わることができず、各家庭だけで子どもと向き合う子育てを強いられ、閉塞感や孤独感を抱えながら子育てをしている、今の子育ての実態を特集でご紹介します。
長いようで中身のない毎日
生後1カ月の赤ちゃんと過ごす毎日は、本当に何もしていないのに終わってしまう感じがしていました。夫は朝早くに家を出て夜も遅くに帰ってくるので、日中はずっと娘と2人。家の掃除や洗濯を最低限やって、あとの時間はほとんど娘の隣にいました。まだほぼ寝ているだけの娘を眺めている日々。娘は本当に可愛くて愛おしかったけれど、毎日何もできていない、これでいいのかな……と思いながら過ごしていました。
娘が中心で、家事がおそろかに
だんだんと娘が泣いていろんなことを訴えるようになり、生後半年頃になると寝返りもするので目が離せなくなりました。娘が寝ている時間は私も少しウトウトしてしまうことも増え、低月齢の頃にできていた、最低限の家事さえできなくなってしまいました。洗濯物がたまったり、食事が作れなかったりすることもしばしば。育児も家事もしっかりやりたいのにうまくできず、できない自分にイライラしてしまうことがありました。しかし、そんな時に夫がかけてくれた言葉でふと気持ちが軽くなったのです。
全部を全力は無理!
「洗濯物はそんなにきちんとたたまなくても、さっとたためばいいよ。ごはんはかんたんでいいからさ」
その言葉を聞いて、全部を頑張らなくてもいいんだと思えました。
私は初めての子育てで、肩に力が入ってしまい、どれも頑張らなくてはと思いすぎていたようです。そのため、たまっていく洗濯ものや、思うように料理ができない自分にイライラしていましたが、その後は、家事も大事だけど、今しかない娘との時間を大切に過ごすことの方が重要だから、これでいいのだと思えるように。そう思えるようになってから精神的にかなりラクになりました。
初めての育児でいっぱいいっぱいになっていたのに、全部を頑張らなくてはと思っていた私は、自分で自分を苦しめていたようです。自分ができることを見極めて、肩肘張らずにやることが大切なんだとそのときに思いました。今では3人の娘の母親になりましたが、子どもたちと過ごす時間を大切にしつつ、そこそこ家事をこなせるようになってきています。
著者:北川なつみ
5歳、3歳、1歳の3姉妹の子育て真っ最中のママ。保育士として約10年認可保育園に勤務し、現在は育休中。子どもたちと毎日たくさん笑って過ごしたいと、日々子育てに奮闘中。