経験しないと分からない陣痛のつらさ。初めての出産を控えていたころは恐怖心でいっぱいでした。しかし、実際の陣痛中はただつらいだけでなく、意外にいろいろなことを考えていました。私が陣痛の間にどんなことを考えていたか、どんな風にやり過ごしたかをお伝えします。
「うるさい!しゃべるな!」
陣痛が本格的に始まると、とにかく周りの話し声や音が不快でたまらなくなりました。当日は夫と私の母が立ち会ってくれて、交代で腰をさすってくれていたのですが、たださするだけも退屈で大変だったと思います。
病院の部屋に備え付けられていたテレビを見たかったと思いますが、それすらも不快で「消して!」と叫んだような記憶があります。今振り返って思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです……。
赤ちゃんのためにとにかく酸素を!
陣痛の間は、あまりの痛さに性格は悪くなるわ、気は遠くなりそうになるわ、下半身はどうなっているのか気になるわでごちゃごちゃの数時間でした。
でも、たったひとつだけ忘れないように気を付けていたことがあります。それは「赤ちゃんに酸素を送ること」です。
母親学級のときに、陣痛時に痛さで呼吸を忘れてしまうと、赤ちゃんに酸素が行かなくなり、苦しくなってしまうと聞いたからです。どんなに痛くてもわが子のためならがんばれるものだなとしみじみ思います。
「いきみ逃がし」なんて無理!
「いきむ」というのは赤ちゃんを産むときにふんばることですが、陣痛中は無性にいきみたくなります。子宮口が開ききるまではいきんではダメで、呼吸法でいきみを逃がすこと、と母親学級で習いました。
でも、私の場合はそんな余裕はありませんでした。いきみたい波が一定の間隔で来るのですが、今思うとすべていきんでしまっていたように思います。理想通りにいかなくても、なんとか出産は乗り越えられるのだなということがあとになって分かりました。
母親学級で習った陣痛から出産までの流れは、現実にはまったく違うものになりました。でも、結果はなんとか無事に出産。ただ、「赤ちゃんに酸素を送る!」という心がけは、陣痛時に気を紛らわすのにもすごく役立ちました。(TEXT:まかおり)
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。