ようやく出産という大仕事を終えたものの、赤ちゃんのお世話に忙しい毎日は慣れないことだらけ。ゆっくりと休むヒマもありません。
しかも授乳もあるので、ママの体には負担がかかります。今回は、授乳中にどんな食事をすればいいのか、産褥期の食事とあわせてご紹介します。
産褥期ってどんな時期?
産褥期(さんじょくき)とは、妊娠や出産によって変化したママの体が、妊娠する前の状態に戻るまでの期間のことをいいます。約6〜8週間かかるこの時期は、ママの体の回復のためにも無理をせず、ゆっくりと体を休めることが大切です。
また、この時期から、母乳が出るようになります。母乳は血液から作られるため、とくに母乳で育児をする人は毎日の食事をしっかり食べることが大切です。
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ビタミン・ミネラルを摂り、脂質を控える!
母乳をスムーズに出しながら、母乳そのものの質や量を維持するためには、食事の栄養バランスが大切です。たんぱく質、ビタミン、鉄、カルシウム、そして貧血を予防する葉酸が含まれている食品をしっかりと食べましょう。
また、脂質の多い食事を摂り続けると、乳管がつまって母乳が出にくくなります。揚げ物のような脂質の多い料理は避け、食材もささみや白身魚、大豆加工品のような脂質の少ないものがおすすめですよ。
水分をしっかり摂り、刺激物を控える!
赤ちゃんが母乳を飲む量が増えてくると、ママの体は母乳に水分がとられるため、これまでよりも、のどが乾きやすく便が固くなることがあります。糖分の入っていない水や麦茶をしっかり飲むことで、水分を補給しましょう。
また、授乳中に刺激物をたくさん摂ると、母乳の味が変わる可能性があります。授乳中は辛いカレーやキムチ、唐辛子のような刺激の強い調味料を使った料理を控えるようにしましょう。
出産時の疲労や睡眠不足が続くこの時期だからこそ、規則正しい生活と栄養バランスがとれた食事はとても大切です。妊娠中と同じように主食・主菜・副菜をできるだけそろえながら、ゆったりとした気持ちで育児ができるように食事で体をケアしましょう。
著者:管理栄養士 富田チヤコ
管理栄養士で一男一女の母。大学卒業後、専業主婦時代に離乳食作りから食の重要性に気付き、管理栄養士・フードコーディネーター・消費生活コンサルタントの資格を取得。書籍や女性誌の栄養監修など、主に健康と食のジャンルを中心にフードライターとして活動中。
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