その日は突然に…クレーマー住人現る
結婚後、夫と私は共働きでマンションに2人暮らし。平日は仕事だったため、掃除機をかけるのは週末に週1回。もちろんかけるのは日中でした。妊娠後期に入るのであと少しで退職となったある日、掃除機をかけていると「ピンポーン」とチャイムがなりました。
インターホンの画面を確認して応答すると、見知らぬ中年女性が「下の部屋の者ですけど」と。入居時にあいさつした方とは別人。「前の方は引越したのかな?」と考えながらドアを開けました。
徐々にエスカレートしていくクレーム
女性曰く、「体調不良で寝込んでいるので、掃除機はやめて!」とのこと。私はお詫びを伝え、仕方なく残りの掃除は中止にしました。このときは勝手に一時的な体調不良と思い込んでいましたが、後に原因は更年期障害であることが判明。
掃除機をかけるたびにクレームが届き、クレームの熱は徐々に高まっていきました。やがて部屋のドアを開け閉めする音までうるさいと言われるようになったのです。
対策について考え抜いた結果とは?
妊娠10カ月に入り、里帰り出産をするために実家へ帰省。しばらくの間はクレームから解放され、平穏な日常を過ごすことができました。でも自宅に戻ってからの子どもの泣き声や成長してからの足音などを考えると、不安な気持ちでいっぱい。
どうしたら良いか考えた結果、「子どもが迷惑をかけることは事実。知っている子どもの声や音なら、許してもらえるかもしれない。子どもを連れてあいさつに行こう!」と決心しました。
いざ決行!クレーマー住人のもとへ
自宅に戻ったタイミングで息子を連れ、菓子折りを持ってあいさつへ行きました。すると女性は娘さんの生まれた当時を思い出したのか、小さな息子の姿を見ると涙を流して感動。「抱っこしますか?」と声をかけ、息子を抱っこしてもらいました。
「今後も掃除機をかけさせていただくことがありますが、体調が悪いときはお伝えください」と言うと、女性からは「体調が悪く、いつもわがまま言ってごめんね」という言葉をいただきました。
クレームが届く日々はつらいものでしたが、結果的には息子の成長を見守ってもらえる良い関係づくりができました。また女性が根っからの悪い人ではないとわかり、私の女性に対する気持ちも変化。勇気を出して出向いてよかったと考えています。「歩み寄れば、相手も歩み寄ってくれる」という大切なことを学ぶ経験になりました。
著者:福田ひろみ/女性・主婦。2男1女の母。3人の子どもはそれぞれ12歳、7歳、5歳で、性格は三者三様。頑固でワガママな真ん中っ子の対応に苦戦しつつ、夫は単身赴任中につき、ワンオペで子育てしている。
作画:こちょれーと
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています