切迫早産と診断されるまで
妊娠29週まで切迫早産とは無縁で、気にも留めず生活をしていました。しかし妊娠30週の妊婦健診のときです。いつも通りエコーをしていると担当のお医者さんが急に慌てだし、直後に院長と交代して再度診察。告げられたのは「切迫早産」でした。
院長から「頚管がかなり短い。これは危ないよ」「このままの状態で里帰り先の病院が受けてくれるかわからないよ。どうする?」と先生から選択を迫られました。このときはまだ切迫早産が他人事でした。
入院生活が始まり、おなかの張りを感じるように
入院して妊娠30週から子宮の収縮を抑える点滴を最大量で開始。手の震え、動機、熱感は慣れるまで大変でした。点滴の差し替えも頻繁にあり、太い血管がなく足の甲まで使いました。点滴が繋がっている間はシャワーを浴びることができず、初めてシャワーを浴びたのは入院から1週間経ったときでした。あのときの爽快感は、入院から数年経った今でも忘れません。
入院前にはおなかの張りというものがわからず過ごしていましたが、入院後に初めて実感。看護師さんに、「今、張ってるよ、わかる?」と言われなければわからないときもありましたが、頻繁に張っていました。横を向くと張りは軽減されましたが、あお向けになると必ずというほど張りました。
ついに緊急帝王切開で出産
逆子であることもわかり、切迫早産という状態での妊娠36週目。早朝に微量の出血があり、先生が内診。破水はしていないが胎児の足が触れるということで緊急帝王切開での出産となりました。子どもはか細く泣いていて、肺に羊水が残って浅い呼吸に。念のためNICUのある病院へ搬送されたため、この日から赤ちゃんとは別々の病院での入院生活が始まりました。
私は帝王切開後の後陣痛と傷の痛みと闘い、さらに出産翌日からは歩行を開始しました。痛みに堪えながら初乳を搾乳。入院中はわが子のためにひたすら搾乳をして過ごしていました。私は予定通りの退院となりましたが、わが子は約1カ月入院しました。出産直後のか弱い姿が嘘のように、今ではすくすく成長しています。
長期入院で感じたメリット&便利だったグッズ
切迫早産での入院中のメリットは、まず食事の栄養バランスを自分で考えなくて良いこと。同時に体重の増減に合わせて食事のメニューを変更してくれて、体重管理を病院にお任せでき、気持ちがラクでした。
次に、毎朝NST(ノンストレステスト)をしてもらえたので、おなかの子の心音を毎日聴けたことです。そして一番のメリットはおなかの子の様子や、私の体の少しの違和感でも24時間相談できたことです。病院にいるのだから大丈夫と思えて、心強かったのを覚えています。
入院中の便利グッズは携帯の充電器、イヤフォン、抱き枕、ペットボトル飲料のストック、ストロー、洗い流さないシャンプー、大量のタオルです。
切迫早産になってから基本的にトイレ以外は起きるのが禁止だったため、飲み物も自由に買えず苦労しました。まとめて飲料を買っておくことで、買いに行きたいのに行けないという小さなストレスがなくなりました。大量のタオルは体を拭いたり枕代わりにしたり、アイマスクの代わりに目にかけるなどで使用し役立ちました。
初めて切迫早産と診断されたときは他人事に思えて、入院してから初めて危機感を感じました。孤独な闘いもわが子のためならと自分を奮い立たせた約1カ月。つらくて孤独な入院生活の中にもあったわずかな救いは、わが子の心音が毎日聴けたこと。そして地味で大変な食事管理や体重管理は病院にお任せし、自分と子どものことに精一杯向き合えた入院生活は、今では良い経験です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師REIKO
著者:中本いちこ
4歳児を育てる心理士(師)母です。子どもの心も大人の心も読めませんが寄り添うことは得意です。子育てジャンルの記事を執筆中。