実習先で出会った憧れの人
実習先のやさしく、頼もしい指導者に心惹かれつつも何事もなく実習を終えた私。その後、実習先から離れた他県での就職を決めましたが、どうしても彼のことが忘れられませんでした。
社会人になりしばらく経っても、その想いは変わらないまま。このままでは後悔すると思い、勇気を振り絞って共通の知人から彼の連絡先を入手しました。
始めは仕事の相談を装ってスタートしたLINEでのやりとり。半年ほど連絡を取り合ったあと、何度かデートを重ね、彼からの告白で、ついにお付き合いできることになりました。
彼の職場から「働かないか?」と言われていて…
しかし、お付き合いを始めた私と彼の間には、車で1時間半という物理的な距離がありました。そのためなかなか会うことができず、「もっと頻繁に会いたいね」と話す日々。
そんななか、私は、実習でお世話になった彼の職場の上司から「うちで働かないか」とお誘いを受けました。実習先だった職場は私にとっても働きたいと思える場所でしたし、「もっと会いたい」と思っていた私たちにとっても、良いお話ではありました。しかしその上司は、私たちが付き合っていることを知りません。まさか優秀な部下が、元実習生と付き合っているなんて想像もしていないでしょう。そんな状態で私が就職試験を受けて、蓋を開けてみたら「実は付き合ってました~」なんてことになったら、彼の信用問題にかかわる!と私は悩んでいました。
彼の側にいたい気持ち、上司のお誘い、彼の職場内での信用問題……悩みに悩んで、彼とも話し合いを重ねて出した結論。それは、“お付き合いを公表してから就職試験を受けよう”というものでした。
「実は付き合っている」上司に言うと
「そうと決まれば!」と彼の行動は早く、上司に直接話をしてくれました。「今度就職試験を受ける○○さん、僕の彼女なんです」とはっきりと。上司は大いに驚いたそうですが、彼は「付き合っているから就職するわけじゃない。この職場で働きたい・学びたい気持ちを強く持っている」という私の気持ちもきちんと伝えてくれていました。
その後、私は就職試験を受けましたが、上司から彼の話題が出ることはなく、試験は滞りなく進みました。その病院には院内恋愛には消極的で、バレたらどちらかが転勤させられる……なんて噂があったので、受かるわけないよなぁとほぼ諦めていました。
しかしなんと! 就職試験の結果は合格でした。試験結果は問題なく、彼との関係については、事前に上司に素直に打ち明けたことが、逆に好印象だったようです。その後、3年ほど同僚として働き、職場内結婚をして夫婦になりました。
実習生と指導者という立場から、遠距離恋愛を経て、同じ職場で働く夫婦となった私たち。周囲からの目もあり、同じ職場で働くことが正しいのかとても悩みました。しかし上司に正直に打ち明け、理解してもらったことで、幸せな結末を迎えることができました。
この経験を通して、恋愛をうまく進めるには、お互いに対してだけではなく、周囲の人にも誠実であることが大切だと改めて感じた私。今では周囲の理解も得られ、職場内でも心地よい生活を送ることができています。「迷ったら正直に言う」。これが私たち夫婦の教訓です。
著者/井上栞里
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