2022年6月、厚生労働省から2021年度出生率が発表されました。出生数としては、81万1604人となり、前年に比べ2万9231人減少。出生率(人口千対)としては、6.6で前年の6.8よりも低下したという結果になりました。この結果は、1899年の調査開始以来過去最少を更新しています。
新型コロナウイルスが流行して2年目となる2021年は、妊娠・出産においてもコロナ禍の影響を受けた年だと言われています。
そこで、ベビーカレンダーは、新型コロナウイルス感染症が流行して2年が経った今、妊活に対する意識はどう変化しているのか、アンケート調査を実施しました。その調査結果を、2020年6月に発表した『コロナ禍における第2子以降の妊娠』に関する調査結果と比較し、分析いたしました。
2020年と比較し、妊活を休止・延期・断念する人が減少!
新型コロナウイルスの影響で妊活・妊娠に関する考えに変化があったのは約15%と、約20%減。感染拡大から2年以上が経過し、妊活に前向きな人が増加!
▼2020年度調査結果
▼2022年度調査結果
第2子以降の妊娠を希望していた経産婦さん205名に、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、妊活の状況や、今後の妊娠への考えに変化があったかを尋ねたところ、「とても変化があった」3.9%、「まあ変化があった」12.2%と、あわせて16.1%の方が変化があったと回答しました。
前回の調査結果と比較すると、2020年度の調査結果は「とても変化があった」15.4%「まあ変化があった」22.0%と、変化があった方が37.4%でしたが、今回の調査では変化があった方が16.1%と、20%以上も減少しています。
この調査において「とても変化があった」「まあ変化があった」という回答は、「妊活や不妊治療を休止した」「妊活や不妊治療の開始を延期した」という方や、「妊娠を諦めることにした」という方など、新型コロナウイルスの影響で妊活を休止・延期・断念した方々の回答となっています。この結果から、2022年度の調査では、妊活を休止・延期・断念したという方が2020年度に比べて約2割減少したことが明らかになりました。
一方で、「あまり変化がなかった」32.2%、「まったく変化がなかった」29.8%と、新型コロナウイルスの流行に左右されない方が62%と全体の半数以上を占めるという結果に。
2020年から2021年にかけて、コロナ禍の長期化により、国内での「Withコロナ生活」が謳われてきました。今回の調査結果から、普段の生活だけでなく妊活においても、Withコロナが定着し、妊娠・出産への影響も以前に比べ緩和されていることがうかがえます。コロナ禍での生活が当たり前になりつつある今、妊娠・出産について前向きに考える方が増加していることが分かりました。
依然として新型コロナ流行中の現在における妊活の理由は?
年齢的なリミットを感じている方が約80%! 新型コロナワクチン接種が始まったことや正しい情報を得て不安が解消されたことも妊活開始のきっかけの一つになったとの回答も
上記の調査結果から、2020年に比べ、妊娠・出産に前向きな人が増加しているということが判明しました。そこで、現在妊娠中または妊活中(不妊治療も含む)の方232名を対象に、「依然として新型コロナウイルス感染症が流行しているなか、妊活をした/している理由やきっかけ」について質問しました。
その結果、「年齢や体のことを考え、早めの妊娠を希望していたため」79.3%と、自身の年齢的リミットを感じて妊活を開始している方が非常に多いことが分かりました。その他にも「上の子どもとの年齢差を考えたため」54.7%と、他の子どもの年齢差を考えている方も50%以上という結果に。
多くの方が、自身の年齢、もしくは他の子どもの年齢を考えて妊活を開始しているなか、「新型コロナワクチン接種が開始されたから」14.2%、「新型コロナに関する正しい知識や情報を得て、不安が解消されたため」7.3%と、長引くコロナ禍でさまざまな対策が強化されていることが妊活開始のきっかけになったという方も複数いました。
中には、「育児休業法が改正され、男性が育休を取得しやすくなったため」3.5%と、2022年4月の法改正をきっかけに、妊娠・出産を開始する方も見受けられました。
■妊活を開始した方のコメント
・新型コロナがいつ収まるかは未知数だし、自分の年齢もリミットが迫っているため。
・感染症が怖くて一旦中止したが、流行が収まる気配がなく、年齢的にもあまり時間がないので再開。
・年齢のこともあるし、Withコロナになっていくと考えたため。
・新型コロナのワクチン接種の時期との兼ね合いで妊活時期をずらした。妊娠初期にワクチン接種はしたくなかったので、2回目のワクチン接種をしてから妊活を開始した
コロナ禍で妊娠・出産は「大変」「不安」ばかりではない!
実際にコロナ禍で妊娠・出産を経験した方からは「立ち会いや面会ができない分、助産師さんが陣痛時から入院・退院時までとにかく手厚くフォローしてくださった」などのポジティブな声が多数!
新型コロナウイルス流行初期の2020年に比べ、妊娠・出産に前向きになっている方が増加しているとはいえ、まだまだ続くコロナ禍。感染対策もあり、今まで通りの出産ができないことに不安を感じる方も多くいるのではないでしょうか。
そこで、実際にコロナ禍で妊娠・出産を経験した方からのコメントをご紹介します。調べるだけでは分かりづらいリアルな声を知り、少しでも妊娠・出産への不安を解消していただければと思います。
■妊娠・出産時のコメント
・在宅勤務がしやすくなり、つわりのときは本当に助かった。
・診察のとき、妊婦さんのみ待合室にいることができたので、そんなに混雑せず感染のリスクも少なく過ごすことができた。
・ワクチン接種をしていたので安心だった。周りの人も感染予防対策をしているのが当たり前の時代なので、新型コロナ以外の感染症もかかりにくいことがよかった。
・新型コロナ流行初期に妊娠中期だったため、出産後どうなるのか不安だったが、助産院で感染症対策を徹底していたし、胎児への影響なども丁寧に説明してもらって安心して過ごすことができた。
・立ち会いや面会ができない分、助産師さんが陣痛時から入院・退院時までとにかく手厚くフォローしてくださった。
■出産後のコメント
・立ち会い出産や面会ができなかったこと自体は寂しさや残念な気持ちがあったが、感染対策という意味では徹底されていて安心できた。
・産婦人科が人の出入りの制限や消毒の徹底など実施していたため、入院中は安心して子育てに集中できた。
・入院中は面会もできず心細かったが、逆に赤ちゃんと2人っきりで貴重な時間を過ごせたし、赤ちゃんを預かってもらっているときは1人で食事したりお風呂に入ったりと、好きなことをしてゆっくり過ごせてよかった。
・夫が在宅勤務で一緒にお世話できたので、今後の安心材料になった。
・コロナ禍で夫の在宅勤務が増えたり、友人との外出が減ったりして、パパが子どもと接する時間が増えたおかげで、想像していたよりは気楽に過ごせた気がする。
<調査概要>
調査対象:2018年6月15日以降に第1子または一番下のお子さんを出産したベビーカレンダー会員のママ504名
調査期間:22022年6月15日(水)〜6月18日(土) 調査件数:504件
※集計結果は100%にならない場合がございます。