義実家で料理をすることになった理由
義実家とは仲良くしていて、毎週のように会ったり一緒に買い物へ行ったりするほど。そして、私たちが義実家へ遊びに行くと、いつも義両親が外食に誘ってくれていました。
このときもいつものように、義母と「夕食はどこに行こうか」と話していたのですが、ちょうど娘が寝てしまい、「起こすのもかわいそうだから、お弁当を買うのはどうか」という話に。そこで義母が「それなら何か作ろうか」と口にしたのです。
この日、義母は仕事を終えたあと。仕事で疲れているのに私たち分の食事も作らせるのは申し訳ないと思った私は、「それなら私が作りますよ」と申し出ることに。外食時は、「私たちが払う」と言ってもいつも義母が夕食代を出してくれていたので、少しのお返しになればという気持ちもありました。
私の申し出に義母は驚いた様子でしたが、私に気をつかってくれたのでしょうか、「ありがとう、ならお願い」と言ってくれ、私は義実家で初めて手料理を振る舞うことになったのです。
緊張しながらキッチンに立って
わが家の分に加え、隣に住む伯母の分を入れると9人分の夕食を作る必要がありました。冷蔵庫の中に何があるのかを確認し、人数のこともあったので食材はイチから買うことに。
夫と近所のスーパーに行って食材を買ってきたあと、義実家に戻って調理を開始。本当に大したものではなく、普段家で食べている献立にしました。
いざ料理を始めると……義母たちの視線を感じるような気がして緊張しましたが、料理は30分ほどで完成。料理を食卓に並べているときも、義母たちに見られているような気がして、気恥ずかしくなった記憶があります。
私の料理を食べた義母は…
寝ている娘を除いた全員が食卓に着き、「いただきます」のあいさつとともにみんなが食事を始めました。私は義母から何と言われるかドキドキで、料理を口に運ぶ姿を見守ってしまい……。
すると義母からは「おいしい!」という言葉が。その言葉にホッと胸を撫で下ろしたことを覚えています。お世辞かもしれませんが「おいしい」と言ってくれ、次々と食べてくれたことはとてもうれしかったです。
食事を終えたあとには、義母から「また作ってね」という言葉までかけてもらい、喜んでもらえたのだとまたうれしくなりました。そしてその後、義実家へ遊びに行った際は、忙しい義母に代わって私が食事を作ることも多くなったのです。
義実家に遊びに行くと、決まって義母が外食代を出してくれ、申し訳ないと思うのと同時に、「何かお返しをしたい」と思っていた私。忙しい義母に代わって料理を作ることが、義母にとって「お返し」となっているのかはわかりませんが、「おいしい」「また作って」という言葉に、少しは喜んでもらえているのかなと感じます。また、義実家との関係も深まったのではと思った経験でした。
著者/中山真希
イラスト/おみき
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