最初の豹変
彼と一緒に暮らし始めて数カ月が経ったある日の夜、いつも通り私たちは同じベッドで寝ていました。すると、寝ていたはずの彼が急に「クソ野郎! うざいわ!」と大声で叫んだのです! 隣で寝ていた私は驚いて何事かと思い、「どうしたの!?」と彼に声をかけました。
しかし、彼はすでに夢の中。起こそうとしましたが、眠りが深かったのか起きませんでした。私は「彼は悪い夢でも見てるのかな」と思ってそのまま二度寝。翌朝になって昨夜のことを彼に伝えたところ、彼はまったく覚えていませんでした。どうやら寝ぼけていて、無意識のうちに発していたようなのです。
夜泣き期間になると…
1年に数回ほど彼に起きる不思議な現象に、私は「疲れているのかな? 無意識に仕事の愚痴を寝言で言っているのかも」と、特に気に留めていませんでした。しかし、子どもが生まれて夜泣きが始まると、夜中に彼が豹変する頻度が高くなりました。
子どもが泣き始めると、私の隣で寝ている彼は足を使って私を起こし、「ほら、早く行け!」と言うのです! 私はさすがに彼に腹が立って、翌朝「そんな態度はない!」と大激怒!
しかし、またもや彼は「え! 本当に覚えていない、ごめん」と言うのです。意識がないと言い訳する彼。でも、私は「無意識とはいえ、夜泣き期間中にずっと同じことをされ続けるなんてたまったもんじゃない!」と怒りがおさまらず、どうにかして解決したいと考えました。
ついに我慢の限界!
そこで私は、彼が豹変したタイミングで無理やりにでも起こすことに。いつもと同じように午前2時ごろ、息子が夜泣きを始めると彼が足で私に「授乳の合図」をしてきました。
そこで私は部屋の明かりをつけ、「その態度はなに!? 失礼よ!」と彼を無理やり起こして激怒! 起きた彼は「また変なこと言った? ごめん」と困惑した表情をしていました。その後は怒る私を気づかい、眠い目をこすって授乳に付き合ってくれました。
それ以降、理由はわかりませんが、なぜか彼が豹変する頻度は低くなっていきました。
子どもが生まれる前は、「夜に人が変わる」彼を許せる心の余裕がありました。夜中に「うざいわ!」などと大声で叫ばれても平気だったのです。でも、子どもが産まれてからは私自身が育児による不眠で疲れていて、彼の豹変を許す余裕がなくなってしまいました。
そして、今までの怒りを彼にぶつけた結果、なぜか彼の豹変する回数を減らすことができました。怒りに任せた行動でしたが、今となっては必要なことだったのかもしれません。それにしても、彼の「豹変」は一体なんなのか……。いまだに謎のままです。
著者/岩見エリ
作画/村澤綾香
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