子どもが元気に活動するのは親としては嬉しいですが、行動や気持ちのコントロールができなくて物を壊したり、お友達を怪我させてしまうこともあると思います。一昔前でしたら、「子どものやることだから」と許されたこともありましたが、最近では、損害賠償が請求される可能性も高まっています。子どもだけが対象ではありませんが、日常生活の損害賠償に備える個人賠償責任保険について簡単にお話していきます。
日常生活のトラブル・事故を起こした時の損害を補償
個人賠償責任保険(日常生活賠償責任補償、個人賠償責任特約等の名称もあります)は、個人またはその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用等を負担した際の損害を補償する保険です。以下は対象となる主な事例です。
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1、子どもが他人の車を傷つけてしまった
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2、子どもが誤っておもちゃを投げて友達をケガさせてしまった
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3、子どもがキャッチボールをしていて他人の家の窓ガラスを割ってしまった
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4、買い物時に商品を落として壊してしまった
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5、自転車で走行中に歩行者とぶつかりケガさせてしまった
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6、散歩中に飼い犬が他人を噛んでケガをさせてしまった
1〜3は子どもならではの事例ですが、4~6は子どもでなくても起こす可能性のあるものです。例を挙げれば他にもありますが、他人の「身体」や「財物」に損害を与えた場合が対象となる保険です。なお、他人への名誉毀損やプライバシー侵害といったケースは補償の対象外となります。
子どもが歩けるようになったら個人賠償責任保険の検討を
個人賠償責任保険は月100円~200円程度の商品ですが、単独の保険として取り扱っているケースはほとんどなく、“火災保険”や“自動車保険”、“傷害保険”の特約(オプション)で付けることがほとんどです。また、多くの場合は個人でなく、生計を共にする同居の親族全員が対象となります。まずは、現在加入の、“火災保険”や“自動車保険”、“傷害保険”に付加されているか保険証券等で確認をしてください。
現在加入していなければ、現在加入中の保険に“個人賠償責任特約”の追加ができる保険会社がほとんどですので、子どもが歩いて動けるようになるまでには、個人賠償責任保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。