こんにちは!助産師のREIKOです。毎日寒いですね。みなさんはどのような寒さ対策をしていますか?そんな寒さ対策にも役立つのが腹帯です。腹帯というと安産祈願というイメージが強いかもしれません。そこで今回は、「腹帯」についてお話ししたいと思います。
腹帯をする風習があるのは日本だけ?
妊娠5カ月に入った最初の戌の日に安産祈願に行き、祈祷してもらったさらしの腹帯をおなかに巻くという風習が古くから日本にはあります。
犬は一度にたくさんの子犬を産み、それでいて安産であるということにちなんで、戌の日に安産祈願をするようになったそうです。安産祈願の風習は海外ではめずらしく、腹帯を着けるというのも日本ならではのようです。安産祈願といえば水天宮や子安神社が有名ですが、そのほかにも安産祈願を受け付けている神社やお寺がたくさんありますので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
腹帯をしたほうがいいの?
腹帯には、保温や保湿、ママの姿勢を正しく保ち、骨盤のゆがみや腰痛を予防するなどの効果があります。また、腹帯をすることでママになったという自覚が深まったという方も多くいらっしゃいます。
しかし、自分に合ったものを着けないと、血行が悪くなってママやおなかの中の赤ちゃんに悪影響を及ぼしたり、肌トラブルの原因になったりすることも。そのため、腹帯を着けることをすすめない産院もあるようです。
腹帯をすることで、大きなおなかが支えられ、ママが楽だな、腰痛が軽減したなと思えれば、そのまま腹帯を着けていていいと思いますが、苦しい、暑いなど、ママが苦痛に感じる場合は無理をして腹帯を着ける必要はないと私は思います。
腹帯にはどんな種類があるの?
腹帯にはさまざまなタイプがあります。
●さらしタイプ
「岩田帯」とも呼ばれる、昔ながらの腹帯です。さらしの帯をおなかに巻くタイプのものなので、おなかの大きさやサイズに関係なく使うことができます。万が一、帝王切開になったときも、手術後に使う外科用の腹帯にもリメイク可能です。布おむつ派のママには、布おむつにリメイクすることもできます。しかし、慣れるまでは巻くのが難しく、締めつけすぎてしまったり、逆にゆるいと着崩れたりすることも。
●腹巻タイプ
脱ぎ履きがラクチンな腹巻タイプ。上から履いても下から履いてもOKです。一般的な腹巻タイプからサポート機能を兼ね備えたタイプのものまであります。ただ、おなかのサイズに合わせて、買い替える必要が出てくることも。
●ガードルタイプ
ショーツと一体型のもの。おなかから腰回りまでしっかりサポートしてくれます。トイレに行っても巻きなおす必要がありません。ご自身に合ったサイズを選ぶことが大切です。
●サポートベルトタイプ
マジックテープのついたベルトで、おなかを下から支えるタイプ。立ったまま着けることができ、腹巻タイプやガードルタイプの腹帯と併用できます。
●骨盤ベルト
おなかに巻くというより、骨盤を支え、ゆがみを予防する目的で使います。ほかの腹帯との併用が可能ですが、着け方にコツが必要です。取り扱っている産院もあるので、そこで着け方のレクチャーを受けることもできると思います。
腹帯の選び方のポイントは?
腹帯にもさまざまなタイプがあり、どれを選んだらいいか迷ってしまいますよね。何の目的で腹帯を着けるのか、自分のライフスタイルや予算などを考慮しながら、ご自身に合った腹帯を選んでみましょう。
腹帯には、必ずこれでなければならないというものはありません。腹帯を着けるときのポイントは「締めつける」のではなく「支える」ことです。妊娠週数や季節、お出かけのとき、健診のとき、お家にいるときなど、使い分けていくのもいいと思いますよ。
腹帯を着けるにしても着けないにしても、大切なのはママが快適でいられることだと思います。ママが快適に過ごすことができていれば、おなかの中の赤ちゃんもきっと快適に過ごせているはず。それが、のちの安産につながるのではないかと私は思っています。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。