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男性の健康課題をテクノロジーで解決する「メンテック」とは? #男性不妊 #ED

女性の健康課題に対してテクノロジーを用いて解決するサービスや製品である「フェムテック」に対し、男性の健康課題をテクノロジーで解決する分野を「メンテック」と呼び、注目が高まりつつあります。世界規模で不妊治療領域の市場が拡大する中で、フェムテックのみならずメンテックの分野においても新たなサービスが生まれたり、資金調達や上場を果たす企業が増えたりと、動きが活発に。この記事では、そんなメンテックについて海外の事例や日本の動きについてご紹介します。

男性の健康課題をテクノロジーで解決する「メンテック」とは? #男性不妊 #ED

 

メンテックがカバーする男性の健康課題とは?

フェムテックが「生理」「産前産後」「更年期」などの女性の健康課題を解決するのに対し、メンテックがカバーする男性の健康課題は主に下記が挙げられます。

 

  • 男性不妊
  • ED(勃起障害)
  • 薄毛
  • セクシャルウェルネス(性に対して身体的、感情的、精神的、社会的に健康な状態のこと。男性の健康課題としては中高年以降の性欲と性機能のギャップなどが挙げられる)

これらを扱うサービスや製品は従来「コンプレックス商材」とも呼ばれ、公には口にしづらいタブー領域でした。しかし、こうした悩みについて自宅で気軽に相談や検査ができるサービスや、従来はなかったおしゃれなパッケージのサプリメントなどが誕生したことで、男性も身体の悩みに積極的に向き合いやすい空気感が醸成されつつあります。

 

盛り上がりを見せるメンテックのサービスについて、まずは海外の事例をご紹介します。

 

海外のメンテック事例紹介

 

自宅でできる精子の妊よう力測定キット「Legacy」

まずご紹介するのは、精子の妊よう力(妊娠する力)の検査を自宅で行うためのキットを提供するアメリカ発の「Legacy」です。

 

Legacyが提供するのは検査キットだけではありません。自宅で行った検査結果について医師とのオンライン診察ができるほか、サプリメントの処方や精子の凍結保存のサービスなども提供しており、男性の妊活をシームレスにサポートしています。

 

同社はCEO自身が生殖能力に不安を感じた際に、精液検査をおこなったときの高額な検査料金やクリニックの冷たい対応を原体験に、手頃な価格での男性妊活サポートのサービスを開始しました。

 

そうした思いで2018年に設立された同社の収益は、2020年には7倍、2021年にはさらに4倍に伸びたとのこと。Legacyのようなサービスが男性や妊活中のカップルに求められていることがわかります。

 

EDや育毛などのオンライン診察を提供する「Hims」

アメリカ発の「Hims」は、ED(勃起障害)や薄毛の悩み、メンタルヘルスやセクシャルヘルスなど男性の健康課題全般について、オンラインでの診察や薬の処方を受けられるサービスを提供しています。同社は女性用ブランドの「Hers」も手掛けています。

 

同社は、独自調査によって「​​男性の9割が悩みを医師に相談したことがない」ことが明らかになったことから、男性が気軽に身体の悩みを相談・解決できるサービスを開始しました。

 

薄毛やEDを解決する製品やサービスはこれまで「コンプレックス商材」とも言われてきた領域ですが、同社のホームページやサプリメントは従来のコンプレックス商材のイメージを覆すおしゃれなデザインであることが印象的です。

 

創業は2017年ですが、設立3年目にあたる2020年にはニューヨーク証券取引所に上場を果たすなど、その成長は著しいものとなっています。

 

インド発・精子の郵送検査キット「Kindly」

こうしたメンテックサービスが人気を博しているのはアメリカだけではありません。インド発で精子の郵送検査キットや遠隔診療、サプリ配送を提供し、男性の性の健康をサポートするのが「Kindly」です。

 

同社は、インドで初めて在宅でできる男性の性の健康に関するサービスをはじめたと謳われていますが、精子の郵送検査キットはテストリリース後わずか4ヶ月で3,000個の売り上げを達成。

 

さらにバンガロールという一都市で始まったサービスが2022年8月現在インド全土の11都市に拡大するなど、インドでもメンテックの需要は大きいようです。

 

国内のメンテックの現状

ここまで海外のメンテックの事例についてご紹介しましたが、日本国内の状況はどうでしょうか。

 

フェムテック企業が増えつつある日本国内ですが、メンテックにあたる企業はまだ少なく、精子検査キットを提供する企業(クリニックは除く、2022年8月筆者調べ)は下記の2社が挙げられます。

 

以前はリクルート社が運営する、精子の濃度と運動率を自宅でチェックできる検査キット「Seem」というサービスもありましたが、2022年6月末にサービスが終了してしまいました。

 

このように国内ではまだメンテックが盛り上がっているとはいえない状況ですが、フェムテックが北米やヨーロッパで隆盛してから数年後に日本でも盛り上がってきたことを考慮すると、今後拡大する可能性は高いと考えられます。

 

アメリカやインドでメンテックが先駆けて盛り上がっている要因として、日本に比べて病院へのアクセスが遠く、遠隔診療の需要が大きいことも挙げられます。

 

しかし、日本国内においては「不妊治療は女性が行うもの」というジェンダーバイアスが依然として存在し、男性の検査の必要性が市場を活性化するほどには浸透していないことも、日本国内でメンテックが盛り上がっていない理由の一つとして、否めないのではないでしょうか。

 

男女それぞれの身体の悩みを気軽に解決できる世の中へ

日本でフェムテックが盛り上がって久しく、女性の健康課題に注目が集まり、それらを解決するサービスが生まれている現状は喜ばしい一方、特に不妊の領域においてはフェムテックだけでは課題を解決できないのも事実です。今後メンテックのサービスがさらに広がっていくことで、問題を解決する選択肢が増えることを期待したいです。

 

フェムテック・メンテックの両方が盛り上がり、男女それぞれが自分の気になる身体の悩みを気軽に相談できる世の中になることを願います。

 

 

 

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