みんな余裕があっていいな
娘が2歳のとき、地域の子育て支援センターに通っていました。そこでは多くのママと顔見知りになり、会えば立ち話をするように。「○○くん走るの早い!」「△△ちゃんお話じょうずになったね」などママたちと話すのは子育ての息抜きになっていました。
どのママにも余裕があり、大きな心で子どもを受け止めているように見えていました。そんなママたちを見るたびに「みんなちゃんと子育てしていてすごいなぁ……」と心の中ではため息ばかり。
私は不甲斐ないママだ
2歳の娘は自分の意思がしっかり出てきて、特に家の中では自分のやりたいことを貫く姿勢が強い子でした。待ってあげられるときは良いのですが、自分に余裕がないと自分を曲げない娘と衝突してイライラ。
娘は自分の主張をしているだけなのに、八つ当たりするように「いいから言うこと聞け! 」と理不尽に怒鳴ったり、イライラをぶつけたりしていました。そのたびに、「こんな汚い言葉今まで使ったことなかったのに……」「自分のストレスを娘で発散している……不甲斐ない」ととても落ち込んでいました。
実はみんなも…
ある日、支援センターで子どもを遊ばせてママ友たちと話をしているとき、私が「みんな余裕があってすごいなぁ」とぽつりと言いました。すると1人のママが、「全然! 家じゃ怒ってばっかだし! それで毎回落ち込んでるよ」と言いました。
そしてまた他のママが「うちも! ぐずられると大人げなく黙れ!とか言っちゃうよ」などママたちが「うちもそうだよ!」「うちなんかYouTubeばっかり!」と家での日常を赤裸々に話し始めたのです。みんなの子育ての生臭い部分を聞いて私は「みんなそうなの? 私だけじゃないの?」と、なんだかほっとしたような気持ちに。同じ境遇の人がたくさんいると思えただけで、ずいぶん気持ちがラクになりました。
支援センターでは周りの親子の表面的な部分しか見えておらず、勝手に「自分だけちゃんとできていない……」と落ち込んでいました。しかし、いざフタを開けてみると同じように子育てに悪戦苦闘していて、それがわかっただけでもかなり心が救われた出来事でした。
監修/助産師 REIKO
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。