息子、ピンク色の服を着て義実家へ
その日、息子が着ていたピンク色の服は、4歳の娘のおさがりです。デザインはサッカーのユニフォームに似たスポーティなもの。娘が「これかわいいね!」と弟に選んでくれた一枚でした。
まだハイハイの赤ちゃんがユニフォームを着ているような格好はとてもかわいらしく、何より息子にとても似合っていたので、義両親にも見てもらおうと義実家に着ていくことに。「これは義両親も喜んで、たくさん写真を撮るだろうな」と想像しながら、私と子ども2人で義実家に向かいました。
「ピンクはおかしい」と言う義父
到着後、義母は息子の服を見るや否や「あら!かわいい!」と予想通り写真をたくさん撮り始めました。そしてしばらくリビングで遊んでいると、2階から義父が。リビングに入ってきた義父は、私たちがあいさつをするよりも先に「なんだなんだ、男がピンクなんか着ているのか」と顔をしかめました。
義父の否定的な言葉に驚きながらも、「ユニフォームみたいでかっこよくないですか?」と聞きましたが、義父は「女みたいだなぁ」と納得していない顔。喜んでもらえると思っていた分、義父のリアクションに「そんなにダメかな?」と少しショックでした。
男の子がピンクだっておかしくない!
そのままピンク色の服の話が終わり、帰宅するために私が支度をしているときでした。娘が義父に「今日のこのピンクのお洋服、私が選んだんだよ!」とニコニコして言っていました。話を蒸し返す娘の発言に、義父が何を言うのかとドキドキしていると……。義父は「うーん、でもピンクは女の子の色だからなぁ。息子くんが着るのは変だな」と困ったような顔。
私は「ピンクは女の子の色」という義父の主張に非常にモヤモヤしながら、娘と義父を見守っていました。帰りの車の中、娘は「男の子だから今度は青い服にする?」とひと言。
義父の言葉を気にしているんだなと感じ、「色には男の子も女の子もないんだよ。好きな色を着ていいんだよ」「じいちゃんはピンクが好きじゃなかったのかもね」と繰り返し伝えました。
これ以降、義実家に行くときに無用な争いを生まないためにも息子にピンク色の服は着せていません。これから先、義父の「男はこうあるべき」という考えと衝突する場面も出てくると思います。そのときは全力で義父と戦い子どもたちを守っていこうと、心に決めた体験談でした。
著者:山口 花/30代女性・主婦。田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
作画:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています