夫の希望で第一子を出産
もともと子どもが苦手だった私。結婚してからも、私は、同い年の夫と2人きりの生活を続けていきたいと思っていました。しかし、そんな私とは反対に、夫は子どもを熱望。夫の思いが通じたのか、私は子どもを授かり、26歳のときに出産しました。
生まれてきたわが子は、かわいくて仕方がありませんでした。今までずっと子どもは苦手だったけれど、やはり、自分のおなかを痛めて産んだわが子はかわいいものです。私のなかの「子ども像」は見事にひっくり返り、私にとって子どもは心から愛しい存在となりました。
子ども優先の生活がスタート
だけど、育児は、かわいいだけでは乗りきれないほど大変でした。夫も育児に参加してくれますが、私は初めての育児で右も左もわからず、てんやわんや。子どもの深夜の夜泣きが、私の睡眠時間をゴリゴリ削っていきました。
子どもが生まれてからは、子どもにミルクをあげたあとに夫の食事を用意するなど、どうしても夫より子ども優先の生活になってしまいました。夫は、そんな私に対して不満を抱えていたようで……。
ついに夫の不満が爆発!
産後4カ月目に入ったころ、ついに夫が爆発しました。
「なんで俺を見てくれないんだ! 俺は仕事をして、子どもの世話もしてる。少しは俺を褒めてくれたっていいだろ!!」と、突然私に向かってキレたのです。
確かに、夫のことを二の次にしてしまっていた自覚はあります。とはいえ、私も、子育てからくる疲労や子どもの夜泣きによる寝不足に悩まされていましたし、自由に出かけられる夫と違って外出もままならず、かなりストレスが蓄積していました。心の余裕を失っていた私は、夫の言葉を受け止めきれず、思わず言い返してしまったのです。
夫に逆ギレし家出した私
「うるさい! 褒めろ? そんな余裕ないから!! アンタは外に出られるし、友だちに呼ばれたら夜中だって遊びに行けるからいいよね! もうアンタなんか知らない!!」と夫に逆ギレした私は、そのまま、家を飛び出しました。
真冬の夜中、スウェットにサンダル姿では外の寒さが身に染みましたが、それでも久々にひとりの時間。田んぼが広がる田舎道をとぼとぼ歩きながら、私は、誰にもはばかることなく大泣きしました。わんわん泣き腫らし、ようやく気持ちが落ち着いたころに帰宅。
家に入ると、子どもを寝かしつけた夫が真っ暗な部屋で待っていました。仕事で疲れて眠いはずなのに、私を心配して寝ずに待っていてくれたようです。そこでお互いに、抱えていた不満を打ち明けました。
夫は、「子どもが生まれたら生活が子ども中心になって、夫婦生活はおろか会話も子どものことばかり。俺への食事も手作りのものが減った。もっと俺のことを大切にしてほしい」。私は「子ども中心になるのは当たり前。私も外へ自由に出かける時間が欲しい。育児が大変だから、夫への食事を作る時間があったら寝たい」といった内容で、2人とも泣きながら胸中を打ち明け合い、最後は夫も私の言い分を理解してくれました。
この一件があって以降、夫は育児だけでなく、私が休めるようにと家事にも力を入れてくれるようになりました。あれから4年経った今、夫は料理も掃除も私以上にうまくなったほどです! 時短勤務の私よりも長時間労働なのに、「男の俺のほうが体力あるから」と、率先して育児や家事を引き受けてくれます。
夫が助けてくれるおかげで私も気持ちに余裕ができ、自由時間も増えて、夫婦の時間やひとりの時間を充分とれるようになりました。また、夫が不満として口に出した食事に関しては、夫へ感謝の気持ちが芽生えたこともあり、私は、できるだけ夫の食事に手を抜かないよう、心がけるように。口論にはなってしまいましたが、あのとき、お互いに本音で話し合えてよかったと、今では思っています。
文/渡辺ぽんぽこぴいさん
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