「会社なんか腐るほどある。でも家族はそうじゃないんだ」という上司の言葉に背中を押され、妻と娘との時間を取り戻そうと動き出した夫。
仕事が終わり、妻子のいる義実家へ新幹線で向かう。うたた寝していてふと気づくと、電車が止まってる。停電で車内は真っ暗だった。
大したことではないだろうと思い、もう一度寝入ろうとしていると、信じがたい言葉が聞こえてきた。
「地震が発生し安全確認のために運転を見合わせております。〇〇県は最大震度……」
ショックのあまり、スマホを手から落としてしまった。夫はみるみる顔面蒼白になっていく……!
「雪穂と結がいるところだ!」ウソだろ……?!
「雪穂と結がいるところだ!」
震源はなんと妻子がいる場所だった。放送を聞いて、慌てて妻に電話を掛けるも、繋がらない。想像もしていなかった事態に、心臓がドクドクと音を立て、冷や汗が止まらない。
「電波の入っていないところにいるか、電源が入っていないため、かかりません……」
無情にも同じアナウンスが繰り返される。
お願いだ、無事でいてくれ……!
何度電話をしてみても、繋がらない……!
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