上司に背中を押され、妻と娘との時間を取り戻そうと動き出した夫。仕事が終わり、妻子のいる義実家へ新幹線で向かっている途中、車内が停電し真っ暗になった。
「地震が発生し安全確認のために運転を見合わせております。〇〇県は最大震度……」
震源は雪穂と結がいる所だった。放送を聞いて、慌てて妻に電話を掛けるけれど、何度かけても繋がらない。LINEを送ってみたけれど、既読はつかない。
「頼む、無事でいてくれ……!」
夫はスマホを握りしめて、雪穂と結が無事でいると信じ、ただ連絡を待つことしかできない。
LINEが既読にならない……不安が募る
SNSをのぞくと、割れた窓ガラスや倒壊した家屋の写真、被災状況を伝える投稿が溢れかえっている。
震災の被害の大きさを目の当たりにするほど、妻子への不安は増してゆく。
「どうか……!!!」
心の中で、雪穂と結の無事を祈る夫。そのとき、LINEに既読がついた……!
とりあえず、生きてる!
ホッと安堵するも、夫にはさらなる困難が待ち受けていた……。
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