空いていたホテルに一人で入った夫は、「大丈夫だから」と気丈に言う妻の言葉を聞き、「このまま何もしないなんて絶対ダメだ。俺も雪穂と結のところへ行こう!」と決意。
避難している人たちもみんなパニックになっているだろうし、まして小さい子どもが一緒。避難生活はすごく大変なはずだ。結もきっと怖がっている。
「一刻も早く助け出してやりたい……!」
夫はスマホで、子連れでの被災体験談や避難生活で必要なものなど、さまざまな情報を調べた。そして、叔父さんにある電話をする。
家に避難させてほしい!叔父の答えは?
「叔父さん、短期間でもいいのでおじさんの家を貸してもらえませんか?」
夫は海外赴任中の親戚に頼ったのだった。そして、家族が被災してしまったこと、子ども連れの避難生活は大変だということを伝える。
「一時的に避難場所として使わせてもらえないかと思ったんです!」
「お金など必要であれば払います! なんとか……!」
「おいおい! 断るわけがないだろうが! どうせ空き家なんだ、使ってもらった方がいいに決まってる!」
夫の言葉を遮るように、叔父は快諾してくれた。
「結ちゃんも絶対怖い思いしてるぞ。早く迎えに行ってやれ」
叔父の家を使用する許可をもらい、必要なものを買いだして、いざ妻子の待つ被災地へ向かう。
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