「戻ってきたら、次案件のプロジェクトリーダーをやってもらう!」と告げられました。
突然のことに驚きを隠せないパパでしたが、「君よりやる気がある人材が何人いる?プロジェクトの規模は小さいが、やりがいがあると思うぞ」と言う上司。
パパは涙ぐみながら「はいっ!ありがとうございます!」と返事をしたのですが……?
新しい家に引っ越して再スタート!
「んまー!?」
驚いたパパが声のした方を見ると、立っていたのは人事課長でした。
「お久しぶりね! 身体はもう大丈夫なの!? 復帰はいつになるか決まった!?」
「あ……あと2週間程度で通常勤務に戻って良いとのことです」
人事課長の勢いにパパがたじろぎながら答えると……
「ふーん……わかりました! 無理しないのよ!」
会社へ戻ることを咎められることはありませんでした。
そしてM美さん一家は、義実家近くの新しい家に引っ越していました。
会社が遠くなっても義実家の近くにしたのは、M美さんのたっての希望でした。
義実家へ行くたびに羨ましい、妬ましい、私は惨めだ……と思っていたと言うM美さん。
パパの入院中に、たくさんサポートしてもらい、
M美さんが「迷惑をかけてすみません」と謝ると……
私たちは迷惑なんていくらかけられてもいいのよ。
そもそも迷惑なんて思わないし、逆に私たちが迷惑をかけることもあるかもしれないし、家族ってそんなもんよ。
私はあなたのことを、本当の娘のように思っているわ。
だから気にしないで。あなただって大事な家族の一員なのよ。
義母はそう言ってくれました。
「羨んだり妬んだりしていたけど、それは間違いだった。手は差し伸べられていた。私がひがんで傷がなかっただけで……」
M美さんの言葉に涙する義両親。
「そう言ってもらえたら俺もうれしいよ。いろいろあったけど、みんなで乗り越えて……本当の家族になれた気がする」
その日の夜。
M美さんは遅くまで机に向かっていました。
書いていたのは、今まで起きたできごと。
「全部書けたらどうするの?」と言うパパに対し、「え……別に何も考えてないけど……」と言うM美さん。
しかし、「自分たちのことで大変だったのに……こうして客観的に読んだらすごく面白いね」と言うパパ。
「いつか体験談として公開したらいいかもね。同じ悩みを持つ人の役に立てるかも? もちろん匿名でね!」
面白く書いたつもりがなかったM美さんですが、パパのアドバイスを聞いて筆を進めました。
数週間後、M美さんは体験談を書き終えました。
M美さんが思うSNSにのめり込んでしまった理由は、
自分の過去の経験から、“他人に認めてもらいたい”や、
“他人に必要とされたい”という欲求が爆発してしまったこと。
自分の親が毒親だったことは要因の1つに過ぎず、原因はM美さんの心の弱さや愚かさ……。
それでも、支えてくれるやさしい人たちがいることに感謝しながらM美さんは生きています。
万が一、同じようにSNS依存に苦しんでいる方がいたら、大事なものを失う前に気づいて欲しい……と警鐘を鳴らすM美さんなのでした。
周囲のやさしい人々のおかげでSNS依存を抜け出したM美さん。大切なものを失う前に辞められて、本当に良かったですね。
皆さんもSNSを開いている時間が多いな……と感じたら、M美さんのことを思い出してほどほどに楽しむのがいいかもしれません。
「私がSNSを辞めた理由」はこれにて完結です。ご愛読ありがとうございました!