夫婦喧嘩を見ていた息子が、「やめてよっ!」と泣きながら懇願してきました。自分のせいで、喧嘩をしていると思い込んで、必死になって喧嘩を止めようとしてくれていたのです。
息子の涙を見て、森田さんは頭が冷えました。
そして子どもたちを寝かしつけた後、夫婦2人で話し合うことに。
森田さんは自分が想像していたよりも、ワンオペ育児が大変だったこと、仕事との両立が難しいこと、子どもの命を守る責任に重いプレッシャーを感じていることなどを夫に打ち明けました。
すると、夫は森田さんに「ごめん」と謝りました。そして「実は単身赴任の生活がきつくて、今まで通りの生活をしているママがうらやましかったのかもしれない」と、心に抱えていたものを森田さんに話してくれたのです。
自分が弱音を吐いたらいけないと思って言えなかったけれど…
夫も「うらやましい」という感情を抱いていたことに、森田さんは驚きました。
「自分の都合で、ママがワンオペ育児になってしまったのに、弱音を吐くのは申し訳ない」そう夫は思っていたと言います。
慣れていない家事を自分でやって、どんなに仕事が忙しくても期待に応えなきゃと必死だった夫。
テレビ電話で家族の様子を目の当たりにすると、早く帰りたいなと思わずにはいられませんでした。
そんな気持ちで家に帰ってきて安心したのか、夫は家事をする気になれなかったのです。森田さんと夫は、お互いの気持ちを隠して我慢していたことがわかりました。「もっと正直に伝え合っていれば良かった……」と、森田さん夫婦は後悔。
そして数日後、つらかったら電話することを約束して、夫は単身赴任先へ戻って行きました。
ワンオペ育児に戻った森田さんは、自分の睡眠時間を改善しました。そして、ストレスを感じたらひとりで抱え込まないで、夫に伝えることに。
さらに、「母親だから」「みんなやっているから」「私がやらなきゃ」という自分の口癖も直した森田さん。知らないうちに自分自身に課していた「母親の責任」から解放できるようになりました。
「母親だから絶対なんてことはない」
「口癖」を変えることで「行動」も変わっていき、何よりも森田さんの心がラクになっていったのです。
◇ ◇ ◇
森田さんは旦那さんとの大喧嘩を通して、大事なのは「伝え合うこと」だと改めて感じたのだそうです。夫婦の間で普段から会話をたくさんしたり、こまめに電話やメールをしたり、定期的に話し合う時間を設けたりするよう、心がけたいですね。