何でも食べてくれていた息子
息子は、離乳食が始まると特にこれといった好ききらいもなく、出された物は何でも食べてくれていたので、私は食事に関して頭を悩ますことはありませんでした。
しかし幼稚園に入園した3歳を過ぎたあたりから、私が作った料理を何だか渋々食べるといった様子が増えるように。なので、私は子どもが好むような料理を調べ、唐揚げやオムライス、グラタンといった子ども向けの物を作り、息子に食べさせていました。
一体何が好きなの?
しかしその後も、私の作った料理を食べては「これあんまり好きじゃない」と言うことが多く、私が「じゃあ何が好きなの?」と聞いても「えーっと……わかんない」と言う息子。息子が何を作ればすすんで食べてくれるのかと頭を悩ませていると、私はふとあることに気づいたのです。
それは、休みの日に私の実家に泊まりに行ったとき、ばあばの作るごはんを、息子はとてもよく食べているということでした。そこで、実家でよく出されていた食事内容をよく考えたところ、息子がよく食べていた物にはある共通点がありました。
びっくりした息子の好み
それは、お刺身や魚の煮付け、海藻類や貝類、さらにはほうれん草のおひたしといった、魚介類メインの純和食料理だったのです。「子どもは洋食が好きだろう」と勝手に思い込んでいた私。
しかし、ばあばが作った料理をおいしそうに食べる息子を見て私は、子どもであっても好みは人それぞれなのかもしれないと気付き始めました。その後、わが家でもわかめの味噌汁や魚の塩焼きといった和食メインのごはんを作って出してみると、息子は普段よりとてもうれしそうに食べてくれたのでした。
現在息子は年長になりましたが、外食時に「何が食べたい?」と聞くと、お子様ランチより刺身定食を選ぶといった少し渋い好みは変わっていません。子どもはきっとこういう物が好きなんだろうという親の先入観を別として、もっといろいろな食事を息子に食べさせてみることも大事なのかなと思うようになりました。
著者:小野 美穂
5歳の幼稚園男児のママ。乳児期に産後うつになり、治療をおこなう。現在は趣味のイラストを活かした仕事をしている。