鎮痛薬を飲み損ね、バスに乗車
高校3年生の寒い冬の日に起こった出来事です。普段は自転車通学の私ですが、その日は朝からあいにくの雨。自転車が使えず、路線バスに乗って20分ほど揺られながら学校に行かなければなりませんでした。
朝の通勤通学ラッシュ時ということもあって車内は利用者が多く、混雑していました。私はすごく重い生理痛持ちで、特に2日目はめまいや立ち眩みがしてしまうこともあり、痛み止めの薬を飲まないと立っていられないほどです。
それなのに慌てて家を出てしまったため、肝心の鎮痛薬を飲み損ねてしまったのです! 一抹の不安を覚えながらもバスが出発すると、イヤな予感が的中。ほどなくして気分が悪くなり、だんだんおなかが痛くなってきて、学校に到着するころには顔が青ざめ、バスから降りる足取りはフラついておぼつかないありさまに。
私の異変に気づいた友人が…
なんとか上履きに履き替えて階段を上り、やっとの思いで教室へ辿り着いた私。すると、異変に気づいた友だちが駆け寄ってきて、「大丈夫!?」と声をかけてくれたのです。その後は、友人にもらったカイロでおなかを温めながら、友人に保健室まで連れて行ってもらいました。
15年も前なので詳細は覚えていませんが、保健室で飲んだ鎮痛薬が効くまで1時間くらい横になってから教室に戻ったと思います。保健室に行くまでの痛みや記憶は鮮明に残っているものの、着いてホッとしたのか、その後の記憶がありません。ただ、こんなことで保健室に行かなければならないことに恥ずかしさを感じたのは覚えています。
出産を経て生理痛に変化が!
その後、大学生を経て社会人になっても私の生理は重いままでした。でも、私にはこれが当たり前で、おかしいなんて疑いもしていなかったのです。なぜなら、生理痛は人と比べられるものでもないし、そもそも友だちや周りの人と生理について話す機会がなかったから。
この生理症状が普通ではないとわかったのは28歳のときです。出産がきっかけでした。産後に生理が再開すると、妊娠前より経血量が少なくなり、鎮痛薬に頼らなくても過ごせるくらい生理痛がマシになったのです! うれしかった反面、経血量が減ったことに不安を覚えた私は、婦人科に相談。結果、医師に問題ないと診断され、私自身もネットであれこれ調べて「これが普通なんだ!」と安心しました。私は妊娠を機に体質が変わったようで、ラッキーだったなぁと思います。
高校3年生のあの日、ひとりでバスから降りて、ヨロヨロしながら教室にたどり着くまでの道のりはとても大変でした。私の異変にすぐ気づいて、助けてくれた友人には心から感謝しています。
28歳で婦人科に行ったときに初めて、重すぎる生理痛には病気が隠れている可能性があると知りました。もっと早く知っていれば、高校生のころに病院で相談していたかもしれません。バスで体調が悪化して保健室で休ませてもらったときに病院に行くべきだったなと、今になっては思います。
文/やすの みっこさん
イラスト/アゲちゃん
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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