城崎こども園ってどんなところ?
●月に1度の「座禅」で自分の体をコントロールすることを学ぶ
●音を楽しみつつ体と脳に働きかける「リトミック」
●味噌は子どもたちの手作り!五感を刺激する「食育」
●未就学児の親子が集う「さくらんぼ」はパパママの貴重な交流の場
もともと隣接する極楽寺を母体にしてスタートした城崎こども園は、城崎地区の保育を担い今年(2022年)で65年目と長い歴史を持つ認定こども園です。「明るく正しく仲良く」を理念に、生後6カ月から未就学児までの子どもの受け入れをおこなっています。
城崎こども園は子どもがしたいことを大人がフォローしていくというスタンスで、“こうでないといけない”という決まりはありません。子どもの気持ちを尊重した自由保育を基本に、自分のやりたいことを見つけて遊びこめる環境作りを大切にしています。
PICK UP!隣接する極楽寺で座禅のカリキュラム!じっとするという貴重な時間
城崎こども園では、4歳児・5歳児クラスになると隣にある極楽寺で月に1度、座禅の時間が設けられています。じっと座っているという動作は簡単そうにも思えますが、実はある程度筋力が発達していないとできないのだそう。
できる・できないではなく、なるべく動かないようにしようと体をコントロールすることで、「自分の体のことを少しでも理解してほしい」というのが、座禅をカリキュラムに取り入れている目的です。
ゲームやお話する時間を含め、30分程度設けられている座禅の時間。じっとしていられる時間は4歳児で2~3分、5歳児でも10分ほど。そう長く座禅できるわけではありませんが、普段なかなかじっとしている時間がない子どもたちにとって、住職でもある園長先生といつもと違う空間で過ごす特別な時間になっています。
PICK UP!月1回のリトミックで音を楽しみながら自分の体をコントロールする力を育む
2歳児の年度後半から5歳児のクラスでは、月に1度外部の講師によるリトミックがおこなわれています。座禅と同じく、自分の体を思ったようにコントロールする力を養うことが目的です。音の大きい・小さい、高い・低い、リズムの速い・遅いを体の動きとシンクロさせ、音やリズムを体で感じます。
音を楽しむのはもちろんのこと、自分で考えて動くという一連の流れが、脳や感覚にも働きかけます。年齢が上がるにつれ複雑な動きも増え難易度も上がりますが、子どもたちは目を輝かせながら音に集中し楽しんでいます。
PICK UP!五感を刺激する食育を!給食で使う味噌は子どもたちの手作り
食育にも力を入れている城崎こども園。食育の一環として、給食で1年間に使用する味噌は4歳児・5歳児クラスの子どもたちと一緒に作っているそう。子どもたちは大豆を種から育てて収穫し、さらに複雑な工程を経てようやく食べられるようになることを実践で学びます。
はじめは小さな大豆だったのものが、形も変わり、香りも変わるといった発見も学びの一環です。また、地元で収穫された自然にやさしい作物を使うなど、食材にもこだわっているのだとか。
そのほかにも、園でのプランター菜園に加え、園から少し離れているところに畑を借り、調理員さんを中心に給食で使う作物を育てています。秋には収穫したさつまいもをもみ殻で燻して、おいしい焼き芋を味わうのが恒例行事。収穫したものをただ食べるだけではなく、食にまつわる取り組みでもさまざまな形で子どもたちの五感を刺激しています。
こんなところもステキ!就学前の親子が集う子育て広場「さくらんぼ」
未就学児の親子を対象にした無料の子育て広場「さくらんぼ」は、毎週月曜日に開催。絵本の読み聞かせや園児との交流、季節のイベントなどを通して、子どもは楽しく、ママはリラックスして過ごせる時間を提供しています。
コロナ禍より以前は、地域ボランティアや職員が昼食を作ったり給食の一部を食べてもらったりしており、おやつも準備していたそう。現在は午前中のみの活動で、おやつなどは持ち帰りとなっています。
園の職員はもちろん、市の民生委員などの方もローテーションで訪れ、ママたちの子育て相談にも対応。園周辺が過疎地域のため貴重な交流の場ともなっており、「さくらんぼ」をきっかけに城崎こども園への入園を検討される方もいるそうです。
地域交流の機会が少なくなりつつある昨今ですが、さくらんぼのように気軽に立ち寄れる場所があることで、地域の親御さんの心のよりどころにもなっています。
自分の体を知ること、食べ物がどうやって作られているのかを学ぶことなど、常に実際の体験の中から子どもたちの体と五感を刺激するカリキュラムに取り組んでいる城崎こども園。身近な日常の中での経験を積み重ねていくことで、大きくなってからも自分の足でしっかりと歩んでいけるよう成長していけるのかもしれませんね。