双子の離乳食初期はママも楽しめた
双子の離乳食や手づかみ食べが始まったころは、私もとてもうれしかったです。子どもたちがごはんを少しでも口に入れてくれたら幸せで、食べられる物が増えていくのがとても楽しみでした。
2人の食事の片付けもまったく大変だとは思わなかった私。離乳食初期は食べられる量も少なく、食事もひと口サイズに作るので、食べこぼしも少なかったからです。2人が小さな手で一生懸命に、野菜やおにぎりをつかんで食べる姿がかわいくて、掃除も頑張ることができました。
いよいよ、ひとり食べを始めた双子
2人がスプーンやフォークを使って、ひとり食べを始めたのは1歳3カ月ごろでした。最初は手づかみ食べのころのように、2人の頑張りを私も純粋に見守ることができていたのです。しかし、まだ2人ともスプーンやフォークをじょうずに使えず、食事の半分は床にこぼれる日々でした。
スープやお茶をひっくり返すことも日常茶飯事で、2人の着替えも1日に何回したかわかりません。毎日テーブルや床に落ちた食べこぼしを掃除しては食事を作り、2人が食べ終えるとまた片付けと掃除。そんなことの繰り返しで1日があっという間に終わっていきました。
苦痛な日々はいつまで続くのだろう
子どもたちのことはとっても大好きでかわいい存在です。それでも食事の時間になると私のイライラが止まらず、少しでもこぼすと怒ってしまう毎日でした。寝る前に、明日も同じ1日が始まるのかと考えると、朝が来るのが怖くなるほど、食事の時間が苦痛で仕方なかったのです。
どうしたら穏やかに2人の食事を見守れるのか、掃除のストレスを減らす方法はないか、私はそんなことばかり考えていました。食事の時間に床とテーブルに新聞紙を敷き、広告をエプロン代わりにして、子どもたちにごはんを食べさせたこともありました。
おいしいねと笑ってあげられなかった後悔
当時を振り返ると、今でも後悔の念に駆られます。「なぜもっと、楽しい食事の時間にしてあげられなかったのか。こぼしたっていいから、もっと自由に食事をする子どもたちの成長を大事にすればよかった」と。
小さな手で一生懸命にスプーンをもって食べる2人の姿を、もう見ることができないのだと私が気づいたのは、2人がごはんをじょうずに食べられるようになってからでした。「もうこんな後悔はしたくない」と、強く感じた瞬間でした。
双子が生まれてから、大変なこともたくさんありました。悩んだり、子どもたちと衝突したりもしました。でもその一瞬が宝物だと気づくのは、いつも時間が経ってからです。大変な育児もきっと、あっという間に終わってしまうのなら、私はどんなときも子どもたちに寄り添いたいと思います。もっと子どもたちの笑顔が見たかったと、もう後悔しないように。
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著者:桜 七瀬
6歳双子の男の子と3歳の男の子、夫の5人家族。看護師資格を持っている。趣味はアンテリア雑貨や住宅公園巡り。読書や英会話の勉強も時間を見つけては続けている。