初体験の彼は女好き。だけど…
私は初経験が友達のなかでもわりと遅いほうでした。大学のときに合コンで知り合って付き合い始めた彼氏と、19歳のときに初めてそういう関係になったのです。私としてはやはり、初めての相手というのは特別な思いがあります。彼はスマートでしたが女好き。それでも私のことを「好きだ、好きだ」と言ってくれて、会えないと寂しそうでした。彼のご両親にも会わせてくれて「いい子だから結婚を考えている」と家族に話していたようです。彼のお母さんからは「やんちゃなところもあるけれど、あなたが支えてあげてくださいね」とまで言われたのです。そんなわけで私は、初めて体の関係を持った彼と結婚まで視野に入れてお付き合いしていました。
え、また?!度重なる浮気に限界を迎え
そんなある日、同じゼミの友達から驚くことを言われました。彼がほかの女性と手をつないで歩いていたと言うのです。まさかとは思いましたが彼が女好きなことは知っていたので、バイト先の女性とでも歩いていたんだろうと楽観視していました。そこまでショックを受けず軽い気持ちで彼に聞いてみると、なんと彼から「ホテルに行ったよ、何もしなかったけどね」と答えが返ってきたのです。あまりに正直に言うのでわたしもなかば呆れてしまい、もう少し突っ込んで「何もしなかったなんて嘘でしょ」と聞くと、「何もできなかった。向こうが俺のこと拒否したから」と言います。「拒否されなかったら抱いてたの?」と聞くと「男はそんなもんだよ」と言われ、そのまま「俺はお前が一番好きだから」と抱きしめられました。
そんなふうにされるとなんだかどうでも良くなってしまい、その件は許してしまいました。自分が本命ならいいという気持ちもありましたし、私が甘かったのでしょう。彼のことが好きなので、許してしまったというのが大きいです。そのまま彼との付き合いは続きましたが、今度は彼の妹さんから「お兄ちゃんはほかにも女がいるみたい」と聞かされます。これにはさすがの私もショックで、「また聞いたよ。どういうつもりなの?」と彼に怒りました。すると彼はまた私を抱きしめながら、「実は俺には3人、彼女みたいな女性がいる。でもほかの2人はただの遊びだよ。本命は君だけだから、俺から去らないでくれ」と言うのです。あまりにも身勝手な話に「三股ってこと?信じられない、もう別れる」と私は泣き叫んで彼の腕を払ってその場を去りました。
三股男がまさかの変貌
そして私は、彼と別れました。けれども同じ大学なので、嫌でも顔を合わせる機会があります。彼のことを避けていましたが、彼は私に寄ってきます。さらにある日は大学の駐車場で待ち伏せされていたり、バイト先のカフェに客として来たりしたこともあります。車のワイパーに長文の手紙が挟まれていたときもあって、そこには「どうしてもやり直したい。お前がいないとやっていけない」と書かれていたのです。ゾッとしましたが、私は卒業までだと思って耐え続けました。
卒業後は彼と顔を合わせる機会もなくなりましたが、ある日突然手紙が届いたのです。そこには「女癖が悪くてごめん。でも男はいくら遊んでも本当に帰りたい女は一人だよ。それが君だった。許してね。そして幸せになってください。浮気性ですが、あなたを愛していました。さようなら、お元気で」と。その文面を見てなぜか涙がこぼれたのを覚えています。
三股をかけられていた私ですが、いまでは彼のことを思い出すと優しい気持ちになります。彼から届いた手紙に書かれてあった言葉は、どれも本心だと思うからです。許されることではありませんが、浮気性の男性は実は寂しがり屋で、そういうことをしてしまうのかもと思うこともあります。そんな彼の一番になれたことは少しうれしく感じつつ、つらかったですが私も成長できたので良い経験でした。
著者/田村さちこ
作画/ちゃこ
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