料理する妻、料理しない夫
私は料理が大好きです。上手いか下手かは別として、料理を作る過程も好きで、完成した料理が思い通りの仕上がりだととてもうれしくなります。さらにその作った料理をおいしいと食べてもらえたら、もう大満足! 彩りやバランスを考えて献立作りにも励んでいます。
一方、夫はほとんど食べる専門。夫は結婚するまで実家暮らしだったこともあり、自分で料理するくらいなら外食するタイプ。しかし、半年に1回くらいはYouTubeで食べたい料理のレシピ動画を見て、作ってくれることもあります。そんな夫は時々「○○が食べたいから作って!」とリクエストしてくるのですが、ある日頼まれた料理は唐揚げでした。
揚げ物調理を拒む妻、諦めない夫
唐揚げは私も大好きだけれど、調理油もたくさん使うし、調理中は目が離せないし、暑い。そしてなにより、調理後の油が飛び散ったコンロの片付けや廃油処理、油でギトギトの洗い物と調理過程を考えると、私にとってはハードルの高い料理でした。
しかし、あまり料理をしない夫は、調理する側の大変さはお構いなしでリクエストしてきます。揚げ物料理が大変だということをいくら口で説明しても納得しない夫。ついには「これ使って揚げ物作ってね!」と天ぷら鍋まで買ってきたのです!
手伝う条件のもと、いざ調理!
さすがに道具までそろえられると「私の手料理を食べたいと言ってくれているんだし、作らなきゃかわいそう」と思うようになりました。でも、やっぱり揚げ物の調理は大変。
そこで私は、夫に「処理方法を教えるから片付けをしてほしい」と提案。すると、夫は「そんなことくらい、唐揚げを作ってくれるなら喜んで手伝うよ!」と約束してくれました。
そして、いざ調理開始! 今まで避けてきた唐揚げですが、実際に作ってみると思いのほか簡単でした。味付けも揚げ具合も成功して夫にも大好評。「また作ってほしい!」と夫に言われ、私もうれしくなりました。
しかし、問題なのは後片付け。廃油処理に必要な道具とコンロ周辺の清掃道具をそろえて、手順を一通り教えました。ついでに食器洗いまでも夫に任せることに。夫は約束事はきちんと守るタイプなので、私に言われた通り片付けをしっかりやってくれました。
そして片付けを終えた夫は私にひと言。「作ってくれてありがとう。おいしかった。でも、片付けはたしかに大変で、君が嫌がるのは十分理解できた。今度から揚げ物はお店で食べよう」と、作る側の苦労を理解した様子でした。
この経験から、私たち夫婦の間では「調理に苦労する食べ物はお店でおいしくラクして食べよう」という共通の考えが生まれました。また、それ以降、夫は料理を作る私の立場を考えて献立をリクエストしてくれるように。
たまに私が気の向いたときに、後処理の大変さも覚悟の上で揚げ物をすることはありますが、基本的にはお店で食べるようにしています。せっかく家族で楽しく食べる食事なのだから、ストレスフリーが一番だと考えています。
著者/まさの
イラスト/ののぱ
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