なぜ女性は冷えやすいの?
女性の多くが冷え症です。体が冷えると血管が収縮して血行が悪くなり、頭痛や肩凝りなどの痛みを引き起こすように。代謝が落ちるとむくみ、太りやすくなる、肌トラブルが起こりやすくなるといった不調が表れることもあります。
血液には体を温める役割もあるので、流れが悪くなると内臓冷えを招いて便秘の原因に。また腸内の免疫細胞の働きも低下してしまいます。不調を治すにはまずは冷え取りからといっても過言ではありません。
それでは、なぜ女性は冷え性になりやすいのでしょうか? 理由は大きく2つあります。
筋肉量が少ない
体温の40%を筋肉が生み出しています。男性に比べて筋肉量が少ない女性はどうしても冷えやすい状態に。筋肉量は20代前半をピークに徐々に減少していくので、年齢が上がると冷えを感じやすくなります。
生理やホルモンバランスの影響
ホルモンのバランスが崩れると自律神経が乱れるように。自律神経の影響から血液の流れが滞り、冷えが生じます。また生理前は水分をため込んでむくみやすく、生理中は血液量が減ることで体が冷えやすくなります。
日本人は50年前に比べて平熱が一度近くダウン
女性の方が冷えやすいですが、低体温傾向は多くの人にいえることです。
1957年に東京大学の研究者が調べたところによると、日本人の平熱はおよそ36.9度。現代は36度前後なので約1度も下がっています。当時の人に比べて運動量が減り生活環境が大きく変わったことが原因と考えられます。冷えやすく、基礎代謝も低下気味な現代人が健康を維持するためには、日常的に冷えに注意することが大切です。
次章では冷えを防ぐために見直したい生活習慣を紹介します。
簡単にできる!ヒエヒエ習慣をぽかぽか習慣にチェンジ
何げなくおこなっている日常習慣の中には冷えを招いてしまうものも。血行を良くするぽかぽか習慣を取り入れて、体を温めていきましょう。
×温かい部屋では腹巻きはしない ⇒ ○24時間腹巻きをする
おなかは血流が多いので、腹巻きで温めると効率的に体温が上昇。腸や子宮がぽかぽかになることで便秘、生理不順、婦人科系のトラブルの改善にもつながります。腹巻きは365日24時間着用するのが理想的。私は、夜は厚手のものを昼は動きやすくてアウターに響きにくい薄手のものを使っています。
特に昼用ではパンツと一体型のユニクロの「ヒートテックウエストウォームショートパンツ」を愛用。冬になるとまとめ買いして一年中使います。
△白湯を飲む ⇒ ○温め素材を白湯にちょい足しする
白湯を飲むと内臓が一瞬温まりますが持続しません。おすすめはしょうがや黒砂糖、レモンなど体を温める作用のある食材をちょい足しすること。ひと工夫で冷え取り効果が高まります。
△夜はゴロゴロしてゆっくり過ごす ⇒ ○入浴前に1分スクワット
筋肉の75%は下半身についているので、筋肉量を増やすなら下半身を鍛えると効率的です。おすすめは入浴前の1分間スクワット。30回を目安に少し疲れを感じるくらい頑張りましょう。
程良く体が温まるので、その分、入浴時間を短くしてもOK。忙しい人ほど、入浴前スクワットは向いています。筋肉がついてくれば基礎代謝が上がり、痩せやすくなる効果も!
×おふろはシャワーで済ます ⇒ ○毎日必ず湯船に浸かる
忙しいとシャワーだけでおふろを済ませたくなりますが、それでは体は温まりません。冷えを解消するには湯船に浸かるのはマストです。全身浴、半身浴のどちらでもOK。温度も自分の入りやすい温度に設定しましょう。顔にぷつぷつと汗が出るまで温まるのがポイントです。
×寝る前はスマホ ⇒ ○ストレッチ&腹式呼吸
寝る前のスマホは脳を覚醒させ睡眠にも悪影響を及ぼします。就寝前はストレッチをおこなって血行を促しましょう。あぐらをかいた姿勢で股関節を伸ばすストレッチをおこなうと骨盤内の血流が良くなります。
体が温まったら布団の中でゆったりと腹式呼吸。リラックスしたときに高まる副交感神経は、息を吐くときに優位になります。できるだけ長く吐くことを意識しながら呼吸すると、副交感神経が優位になり血流も向上。体を温めながら良い眠りに包まれますよ。
まとめ
石原先生のおすすめは、入浴前にスクワットをし、おふろで湯船に浸かって温まってから、ストレッチ・腹式呼吸でリラックスして眠りに就く流れ。くつろぎながらのぽかぽか習慣で心身を健康にしましょう。
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取材・文/中澤夕美恵
出版社、編集プロダクションを経てフリーになって約20年。スポーツジム通いに目覚め、せっせと運動に励むものの1年で1kgしか減量しておらず、ズッコケる。いつか痩せると信じて今日もジムへ……。