兄弟ではだめ?無神経な言葉にモヤモヤ
当時2歳の長男と生後5カ月の次男を連れて散歩していたとき、近所に住む60代くらいのおばさんに声をかけられました。はじめはにこやかにあいさつしてくれたおばさんでしたが、抱っこひもに入っているのが次男とわかると、「2人とも男の子なのね。じゃあ次は頑張って女の子も産まないとね!」と言い出したのです。
私はあいまいに笑ってその場を立ち去りましたが、「なぜそんなことを言われないといけないの? 兄弟ではだめなの?」と心の中にはモヤモヤが広がっていました。
おばさんに言われたことが理解できない…
私は長男を妊娠したことがわかったときとほぼ同時に、病気が見つかりました。息子たちを出産して、心から「無事に赤ちゃんが生まれてくるのは奇跡だ」と思ったものです。また、私自身は姉妹として育ち、とても姉妹仲が良いので、結婚したころは漠然と「自分の子どもも同性同士だといいな」と考えていました。
そのため、おばさんのように簡単に「もう1人産まないと」などと言うのは無神経だと感じましたし、「女の子も産まなきゃ」という考えは、私には理解できなかったのです。
おばさんの言葉の裏にあった本心
その後再び会ったときも、おばさんは「やっぱり女の子がいないと」と言ってきました。私はやんわり聞き流そうとしていたのですが、おばさんは最後にポツリと「うちの息子たちなんて、正月も帰らないし……」とつぶやいたのです。
それを聞いて、おばさんは巣立ってしまった息子さんたちに会えず、寂しい気持ちがあるのだろうと感じました。「女の子も産まないと」というのは、おばさんが過去の自分自身に言いたい言葉なのかもしれません。
その後、私たちは引っ越したので、そのおばさんとは会わなくなりました。妊娠や出産はデリケートな話題なので、初対面で安易に口にするべきではないと、私は思います。けれども、おばさんは私の息子たちに対してはとても感じ良く話しかけてくれたので、おばさんのことを悪い人とは思えませんでした。私への言葉も悪意ではなく、ご自身の経験をもとにしたアドバイスのつもりだったのかもしれません。この出来事から、たとえ良かれと思ったことでも、相手の立場を思いやり、寄り添った言い方をすることが大事なのだなと思いました。
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著者:香川えりか
4歳と2歳の2児の母。管理栄養士・登録販売者・調剤事務管理士の資格を取得。ドラッグストアで開催されるベビー相談会を担当し、多くのママさんに寄り添ってきた。
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