「言ってはいけない」と思い込んでいた私
当時、私は頭痛・腹痛・眠気といったPMS(月経前症候群)に悩まされていました。しかし、職場の人たちにはPMSの症状について伝えていませんでした。
なぜなら、以前の職場で「生理を理由に仕事ができないなんて絶対言うな」と女性上司に強く言われたことがあったのです。生理のつらさは人それぞれで、不調を我慢する必要はないはずなのに、私は初めての職場でそのように言われたため「そっか、生理でつらいなんて言っちゃいけないんだ。それが社会の常識なんだ」と思い込んでしまいました。
また、生理で体調不良だと言うと「女ということを言い訳にして怠けていると思われそう」という考えもありました。どちらも私の思い込みと考え過ぎが原因ですが、そのころの私は「生理の不調を言わないのが当たり前」と考えていたのです。
先輩のひと言で考え方が変わった!
ところが、そんな私の考えを変える出来事が! 新しい職場に転職した私は、バリバリ仕事ができる女性の先輩に出会いました。ある日その先輩が「私、今日は生理で調子が悪いんだ。申し訳ないんだけど、時々サポートしてもらってもいい?」と言ったのです。
私は「えー! 生理の不調って言っていいの!?」と驚きました。私にとっては、仕事で言ってはいけないことだった生理の不調を先輩があまりにもサラッと発言したからです。それに対して、周囲の人たちも「オッケー! 任せて」と温かく受け入れていて、私はその様子にも「ええー! 受け入れるの!?」と衝撃を受けました。
驚きつつも、私はその場の雰囲気にならって「もちろんです! 私は元気なので、なんでも言ってください」と伝えました。先輩に「今日はありがとう。助かったよ。あなたが生理のときも気にせず言ってね」とお礼を言われたことがとてもうれしくて、今でも鮮明に覚えています。
サポートし合う関係性
この経験から「生理の不調=言ってはいけない」という考え方は間違っていたのだと気づきました。そして「生理でつらいときには周囲の人に助けを求めていいんだ」と思い直したのです。さらに先輩に頼られたことで、生理でつらい人を助けるのは、自分にとってもうれしいことだと学びました。
今の職場の人たちに出会えていなかったら、私は自分の思い込みにとらわれ、生理の不調を言えないまま、ひとりで苦しみを抱えていたかもしれません。
生理の不調を周囲に言ってはいけないと思い込んでいた私でしたが、考えを変えることができて本当によかったと思っています。今の職場では、生理でつらいときはお互いにサポートし合う関係性をつくることができているため、心地よく過ごせています。
著者/ココロナナコ
イラスト/まっふ
監修/助産師 松田玲子
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