シングルマザーの私に彼氏ができて…
お母さんに彼氏!? 子どもたちの反応は?
38歳で離婚後、しばらくは自由を謳歌していました。しかし、休日に外出すれば、家族連ればかり目につきます。子どもの同級生の母親にシングルマザーだと告げれば、気まずそうな空気に。さらに、つらいことがあっても私はひとり……。
だんだん孤独感が募り、パートナーが欲しいと思うようになりました。マッチングアプリにこっそり登録したところ、多くの男性からリアクションをいただき、その中から「この人!」という男性と実際に会い、お付き合いすることになりました。背が高く、たくましい体付きの人で、寡黙で誠実な人でした。
私に思春期の子どもがいることを理解し、ゆっくりと子どもたちとなじもうとしてくれました。子どもたちと一緒に出かけたり、食事に行ったり。中学2年生の娘はうれしそうでした。一方で、高校2年生の息子は少し複雑……。自分の家族に他人が入ってくることに抵抗があるけれど、お母さんにパートナーができて寂しくなくなるのは歓迎しているようでした。
子どもたちはいつの間にか娘が考えたあだ名で彼を呼ぶようになっていました。半年ほど時間をかけて子どもたちと会う機会を増やし、週末には彼も一緒に家で食卓を囲むことが当たり前になりました。
娘に異変! 必死で娘と向き合う日々
彼が家になじんだと思ってから1年後。突然、娘に異変が起こりました。意識をなくしてばたっと倒れ、手が震えて止まらない。慌てて救急車で緊急病院に連れて行きました。しかし、検査結果は異常なし。翌日以降に精密検査をすることにして帰途に着きました。足に力が入らずに歩けないので、大きくなった娘をおんぶし、タクシーを拾える大通りまで歩きました。
久しぶりにおんぶされた娘はうれしそうで、2人でケラケラ笑い合いながら家に帰りました。手の震えや足の脱力が治らないので、娘はしばらく学校を休んで車椅子で過ごしました。何回も病院に連れて行って精密検査を受けましたが、異常なし。元気だけれども介護状態が続き、私は仕事を休まざるを得ませんでした。病院通いや介護を続ける私を見て、娘が「あのね」と言いだしました。娘の告白は衝撃でした。
同級生の彼氏に体の関係を求められて応じたけれど嫌だったこと。同級生から「あいつは経験済みだ」とからかわれるのがつらかったこと。学校に行くのが嫌で、夜中に家を飛びだして先輩と一晩中何度もドライブに行っていたこと。パパ活をしていたこと。「非行」と呼ばれる行為を娘がしていたのでした。
私は娘の「気持ち」を見ていなかった!
娘の行為がショックで受け入れられなくて、子どもの非行について検索しました。出てくるのは「子どもの非行の原因は親」という内容ばかり。そして、娘をカウンセリングに連れて行ったときに別室からカウンセラーの声が聞こえてきました。「お母さんがあなたを認めてくれなかったのがつらかったんだね……」。離婚して後ろ指を刺されないように、仕事も家事も子育ても精一杯踏ん張ってきたのに。全部私のせいだったのだ! どん底に落とされた気分でした。私が恋人を作ったのが悪かったのかと悩みました。
娘のために男と別れられないなんて、母親失格だ。でも、また孤独になるのは嫌だ……。自分を責める日々。そんな中、愛着障害や非行に関する本を読みあさり、私自身もカウンセリングを受けました。そして1つの答えを見出しました。私は頑張り過ぎて、娘の気持ちを見ていなかったのです。
シングルマザーだからと後ろ指を指されたくなくて「あれができていない、お母さんは頑張っているのに」と娘にも努力させようとしていたのが娘の負担になっていたようでした。私は娘を見ずに、世間ばかりに目を向けて、娘を否定してしまっていたのです。
まとめ
娘は私を好きだからこそ、非行という形で悲しく叫んでいたのです。本当に申し訳ないと思いました。それから、私は娘の話を決して否定せず、聞くことに徹しました。彼と子どもたちをなじませようとするのをやめました。大学生になった息子が家を出てからは、母娘2人で寄り添うように生活しました。
娘は次第に落ち着き、毎日が穏やかに過ぎていっています。現在、彼は時々家に来て、私と娘と一緒に過ごしています。
シングルマザーが恋をしてもいいと思います。ただ、条件はあります。子どもに自分の価値観を押し付けないこと。子どもを一人前として認め、子どもの心を尊重すること。それを守れば、シングルマザーが自分の幸福を求めることは良いことだと、今は自信を持って言えます。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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著者:SN
38歳のときに離婚。 大学2年生と高校1年生の子どもがいる。今は高校生の娘とチワワと暮らしている。ブラックな仕事を退職したいと考えているが、住宅ローン・子どもの学費が重くのしかかっており、踏み切れないでいる。40代に入り、人生最大のモテ期に突入。