人見知りだった長男と、友人の何気ない言葉
フランスでは働くママが多く、子どもはベビーシッターや保育園に預けて産後3~6カ月ごろから仕事に復帰するケースが多いようです。赤ちゃんは生後間もないうちに社会に出るからなのか、なんとなく、他人に慣れている子どもが多いように感じていました。
私はと言うと、フランスへ移住した当初に妊娠が判明し、専業主婦として育児をしています。そのため、自宅で過ごすことが多かった長男は知らない人に会うことに慣れておらず、周りから「他の子と比べて人見知りだね」と言われてきました。
次男が生後5カ月になるころから、私は子どもたちのために積極的に子育てサークルに通いました。幼稚園にも通い始めた長男は劇的に変わり、人見知りもいつの間にか消失。そのとき私は「子どもの柔軟性はすごい。心配しなくてもよかった」と学びました。
しかしある日、家族ぐるみで年に数回会う夫の友だちが「○○(長男の名前)は人見知りだったもんね。保育園に通わせたらよかったのに」と言ったのです。私はその言葉に怒りを感じました。
夫の言葉
私は「家庭の事情や環境も違うのに、昔の長男の人見知りを言われて気分が悪い」と夫に伝えました。すると、夫は「他人の言うことは気にしないで。僕たちは自分たちができる範囲で一生懸命に子育てしているのだから、自信を持ったらいいよ。息子たちはやさしい良い子に育っているのだから」と言ってくれたのです。
私は「夫の言うことはその通りだ。今は長男は人見知りをしなくなったけれど、たとえ人見知りをしたとしても、わが子はわが子。今の子どもたちを見ると私たちの子育ては間違ってはいない。周りの言うことは聞き流せばいい」と改めて思いました。
友人の軽はずみな言葉で傷ついた私。しかし、夫の言葉で改めて「他人の言うことに惑わされず、子どもたちの様子を見ながら自信を持って子育てしていけばいい」と思うことができました。これからも、きっと些細なことで迷い傷つくこともあるかと思いますが、楽しみながら子育てしていけたらと思います。
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著者:岩見 エリ
2人の男児の母。看護師歴12年、フランスで出産し子育て中。