私が結婚相談所に入会した理由
27歳のとき、大好きな彼にフラれて婚活を始めた私。結婚適齢期でしたし、彼と結婚できると思い込んでいたので、この失恋にはとてもショックを受けました。失恋で傷ついた心を癒すのは恋愛だけと思い、出会いを求めて合コンに参加しましたがうまくいきません。いつまでも夢ばかり見ていても仕方ないと、結婚相談所へ入会しました。
プライドの高い私の勘違い
入会したものの、私はもともと結婚相談所に対して偏見を持っていました。結婚相談所は、異性に縁がない人がお金を払って相手を紹介してもらう場所だと思い込んでいたのです。
自分はそれなりの恋愛経験もあるし、決してモテないわけでもない。入会さえすれば、すぐに数えきれないほどのアプローチがくるはず、とかなり上から目線な態度でした。
しかし、婚活のお世話をしてくれる仲人さんは私の浅はかな考えを見破っていて「27歳は決して若くありません。自分の立場をわきまえなければ、どんどん婚期を遅らせることになりますよ」と厳しい言葉をかけられました。
お見合いの申し込みが続々と!
仲人さんからの言葉は少々キツかったですが、ムキになった私は「絶対すぐに素敵な相手を見つけて退会してやる」とすると心に決めました。いざ活動を始めると、予想通りたくさんの男性からお見合いの申し込みが届きます。あまりのフィーバーぶりに、「こんなにモテモテならすぐにでも相手が見つかるんんじゃない?」と余裕すら感じました。
ただ後から知りましたが、新規会員に申し込みが殺到するという現象は、よくあることだそう。つまり私が特別魅力的だったからではなく、単に新規会員だったから申し込みが殺到したのです。
そうとは知らず、このモテモテぶりは永遠に続くと思い込んでいた私。相手のプロフィールに少しでも気に入らない箇所があればすぐに切り捨てていたのです。一般的に見て、好条件な男性からの申し込みも簡単に断る私に対して、仲人さんからは「相手の粗探しばかりしていては絶対にお相手を見つけられない」という忠告がありました。それでも一切聞く耳を持たず、自分流のやり方を続けたのです。
あんなにモテてたのに…婚活中断の危機
その結、次第にお見合い申し込みの数が減っていきました。入会から3ヶ月目には、潮が引くように誰からも相手にされなくなったのです。1か月間、誰からもお見合いの申込みがないこともありました。さすがの私も現実を受け入れ、もっと謙虚にならなければ誰からも相手にされないと反省。過去にお断りをした相手を中心に自分からお見合いの申し込みをし始めたのです。
一度断られた相手からすれば、「何をいまさら」と思うでしょう。当然のごとく、半分の人からはお断りされました。そんななか、1人だけ快く応じてくれた男性がいたのです。実際にお見合いをするとにこやかに「プロフィールを見てすごく気になったので、断られた時は悲しかったです」と言って、私の失礼な行動を笑い話にしてくれました。その彼こそ、私が結婚した夫です。ずんぐりむっくりの体型で、決して好みのタイプではありませんでしたが、話が面白く彼の人柄の良さに惚れました。自分の高飛車な態度を反省し、考えを改めたことで最良の相手と出会えたのです。
結婚相談所で活動するにはそれなりの費用を要します。しかし高いお金を払ったからといって、必ず結婚できる保証はありません。実際、私は自分の置かれている状況に向き合わず、半年ほど無駄な時間を過ごしてしまいました。当時の自分には喝を入れたいですが、あの紆余曲折があったからこそ、夫と楽しい結婚生活を得られたのだと思ってます。
著者/田中みち
作画/あさうえさい
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