公園で会ったAさん
当時4歳の娘と生後半年の息子を連れて行った近所の公園。楽しく遊んでいると親戚のAさんが公園にやってきました。軽くあいさつし、散歩中だった様子のAさんはベンチで休憩。公園で遊ぶ私たちを見ていました。時間はお昼前。私たちはたっぷり遊んだあとで、もうそろそろ家に帰ろうかという時間でした。
私は娘に「そろそろ帰るよ」と声をかけましたが、遊び足りない娘は「やだーまだ遊ぶー」と言って走り回っています。私もすぐに娘が応じると思っていないので、段階的に声をかけるつもりでいました。
ゴツン!! いきなりげんこつ
「最後にこれだけする!」を何度も繰り返し、なかなか遊び終わらない娘。私が「もう終わりにするよー!」と強めに言うと、Aさんがツカツカと娘に近づきました。急に動いたAさんに驚いた次の瞬間、Aさんは娘の頭にゴツン!といきなりげんこつをしたのです! 娘は一瞬驚いた顔になり、一呼吸おいてわんわん泣き始めました。
Aさんはそんな娘に向かって「母親の言うことを聞かないか!」と怒鳴ったのです。普段はおだやかな印象のAさん。その方がまさかいきなりげんこつをするとは思わず、私もかなり驚きました。
しつけが甘い!と一喝
娘は私にしがみついて大泣き。唖然としている私に、Aさんは「俺が子どものころはこうやってしつけられたんだ! そんな甘いやり方でどうする!」と一喝。そのままの勢いで後ろを向き、「気分が悪い!」と言いながら公園から去っていきました。
私は「だからっていきなり殴っていいわけないでしょ!」と娘に手を挙げられたことで怒りMAX。げんこつされた頭をさすりながら精一杯娘を抱きしめました。しばらくして娘が落ち着いてから帰宅することに。娘はショックだったのか、何度も思い出しては泣くのを繰り返しながらの帰路となりました。
本気でされたげんこつは相当痛かったと思いますし、怖かったと思います。確かに昔はげんこつも当たり前だったのかもしれませんが今は今。自分の常識を押し付けないでほしいと思いました。これ以降Aさんに会ってもおびえてあいさつをしなくなった娘。しかしげんこつをした本人は何も気にしていない様子です。親戚である以上、適度に距離をとりながら良好な関係を続けていかなければと思っています。
イラストレーター/あさうえさい
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。